海外に比べ低迷していた日本市場の株価が急騰している。

コロナの新規感染者数が一時より減ってきたこともあるが、

やはり、菅総理が自民党総裁選への出馬を断念したことが大きい。

菅政権のコロナ対策への評価は芳しくなく、

長い抑圧に疲れた国民のイライラはピークに達している。

今は、トップが変わることにより、世間のムードが変わることを期待する向きが強い。

私としてはまず、「総理、お疲れさまでした。」と言いたい。

首相に就任してから約1年。

コロナとオリパラに終始振り回されっぱなしの政権運営は本当に大変だったと思う。

常に切羽詰まった局面が続き、

腰を落ち着け、長期的な展望に立った政策を打ち出す余裕などなかっただろう。

だが、

誰がやっても同じことにしかならない、仕方がないと思うところもあるが、

状況に流されるばかりでなく、

国民のために筋道を通した仕事をするのがトップの役割だと、そうも思っている。

その意味で、

私には、菅総理からは信念のようなものが感じられなかった。

トップとは名ばかりで、

裏で糸を引く者の操り人形にしか見えない。

「国民のために働く」と言うのも口さきばかりで、

一部の政財界の都合が優先されているように感じてきた。

このように感じていたのは私だけではない。

多くの国民が感じていることであり、

結果として政治不信が進んだのも当然だと思う。

今の政治は個人を守るわけでもなく、

個人の意識は、

依存から自立へとシフトしつつある。

コロナ後を見据え、

政治に左右されない自立の哲学を持った、足腰の強い経済活動を展開している企業や個人が目立つようになった。

直近の株価上昇はその表れのようにも受け取れる。

新しいリーダーの出現が待望されているが、

リーダーなどいてもいなくとも、

自分自身の生き方を貫こうと考える人が増えている。

そうした人たちが生きやすい環境を整える。

それがこれからの政治の役割なのかもしれない。