私は、アイヌは北海道の先住民だと思っているが、それは違うと言う人もいる。

ここは何度議論を仕掛けたところでどうなるものでもなく、私としても個々人の見方考え方にどうこう言うつもりはない。

だが、アイヌが、今私たちが生活している、この北の大地で、

おそらく縄文より以前から引き継がれてきた共生と循環の精神をもって、

近年までその命を繋いできたという事実は動かしようがない。

それがいつからどのようにして始まったかについても当然議論の対象となるが、

議論すればするほど、結果として分断を深めるだけなのだとしたら、

それは論点がズレてしまっていると考えるよりほかなく、そのような不毛な議論なら、むしろしない方がいいと思う。

今、高い優先順位で考えないといけないこと、まずこだわるべきことは、アイヌが先住民か否かとかではないはずだ。

私たちがまず考えなければならないのは、アイヌに引き継がれてきた精神、自然との向き合い方であり、

そこから学ぶべきことはしっかり学ばなければならないということであるはずだ。

先住民の定義や、制度運用等の議論においても、

前提として、アイヌの精神文化に対して最低限のリスペクトを払うことが必要になる。

この姿勢は、アイヌのことに限らず、どんな場面でも不可欠なことであり、

その意味で「アイヌは公金チューチュー」などと言う輩は人としてどうかと、私は思う。