日本人は海外に比べて投資に疎いと言われている。
統計を見ても日本の投資人口は非常に少ない。例えば、アメリカでは総資産の約5割が株式や投資信託で占められているのに、日本では15%にも満たない。
日本で投資人口が少ない理由としては、
- 学校で教えない。
- 博奕と混同してしまっている。
- バブルの反動、恐怖感を引きづっている。
などが挙げられると思う。
かつて「士農工商」と言われていたように、江戸時代は商人の社会的地位は高いものではなかった。
これは幕府に反発する勢力が資金力を背景に成長しないよう、民衆の意識をコントロールするための巧妙な戦略であったとも言われている。
250年以上もの長きにわたり「お金を稼ぐことは汚いことだ」という意識が私たち日本人の中に刷り込まれ続けてきた。その意識は今も私たち日本人の中に根強く残っている。
お金は汗水垂らして初めて手にするものであり、労働もせずに稼ぐことは姑息で汚い行為だとして、家庭でも学校でもほとんど触れようともしない。
さらに、バブル崩壊時の恐怖感がいまだに払拭されていない上、投資全体を「不真面目で博奕的なもの」として、本来の意味や仕組みを知る前から選択肢から除外してしまっている。
こうしたことが背景にあり、海外に比べて日本では投資人口が増えていない。
そうは言っても、
超低金利時代が長く続き、労働収入の伸びも期待できない現状を考えると、
生計を維持するために投資を始める人が増えるという見方もあるがどうだろうか。
投資に関心を持つ人、勉強を始める人が増えているのは事実だが、
投資を実行するための知識や技術が一般的なものとして国内に広く定着していくかと言えば、正直難しいのではないか。
少し勉強を始めてみると感じるのだが、
投資を実行するのための最低限の知識と技術を得るためには、まとまった時間と一定程度の能力が求められることになる。
投資を始めることができるだけの金融リテラシーを身に着けた日本人の割合は、そう簡単には高まらないのではないか。
まず、「投資は難しい」という根強い先入観が行く手を阻む。
そして、そこに便乗した巧妙な詐欺も横行するに違いない。
結局のところ、
「やっぱり投資は怖い」、「お金は労働して手にするもの」という呪縛からなかなか抜け出せないのではないか。
だが、1835兆円とも言われる預貯金を眠ったままにしておくことは得策ではない。少しでも多く市場に流入させるべきである。
今の日本人が一番取りつきやすいのは積立NISAではないだろうか。NISAをもっと一般化するために大胆な政策をぶち上げてもいいと思う。