東京株式市場は、昨日12月30日が大納会(だいのうかい)。

一夜明けて2022年の株式市場を振り返っている。

ちょうど一年前、ロシアのウクライナ侵攻を少し心配してはいたが、あり得ないと思っていたし、
インフレがここまで深く、長期化するとも思っていなかった。

何が起きても市場に生き残れるよう資産を散りばめているものの、

予想していたメインシナリオからはかけ離れた展開に終始翻弄され続け、
一年を通してほとんど資産を増やすことができなかった。

退場を余儀なくされた投資家も相当いるのではないか。

私は、想定外の大波小波に揺さぶられるのが嫌いじゃない。

上がっても下がっても基本的になんとも思わない。
上がればその時点の資産価値は増えるが、上昇相場では買い増しできないので上がりっぱなしはちょっと困ると思っている。


下がれば買いやすくなり、押し目を拾っていけば、後々資産が膨らむ可能性が高い。


上がりっぱなしも下がりっぱなしもあり得ないので、
その時々に応じ、できることを淡々とやるだけだ。


上がると思っていたのに下がったり、下がると思っていたのに上がることもある。


そうした経験ができるのが楽しいし、
一つひとつ乗り越えていくことによって、
これから先何が起きても平常心でいられ、少しずつ成長できそうな気がしている。

明日からの2023年の相場は本当に読めない。
メインになりうるまったく別のシナリオがそれこそ5本くらいある感じで、それらすべてに自然体で備えていくしかない。

資産配置を厳密に設定し、細かく動かすとかは、私はほとんどしない。
どこに転ぶかわからないのだから、決めうちするように細かいことを考えても仕方がない。

だが、考えるのは楽しいから、楽しめる分だけ好きなだけ考える。
そうすると覚悟が生まれる。これが楽しい。

今年学んだのは、何が起きるかわからないということ。

とは言え、今年のウクライナ侵攻もインフレ長期化もまったく想定していなかったわけではない。

見たことも聞いたこともないようなことでも、
普段からアンテナを張り、思いつく限りのあらゆる可能性に配慮していれば、
何が起きても大丈夫なように、自然と準備しているものである。

突きつけられる事象をいつも冷静に受けとめ、そこから先に起こりうることを覚悟することの繰り返し。

2023年のメインシナリオとしては、

インフレが思いのほか長期化することによりなかなか金利が下がらず、企業業績の低迷もあいまって株価低迷が長く続く、、ような気がしている。

こうした局面では、投資家の心理は小さなイベントにもいちいち反応し上下動が激しくなりそうであり、レンジ相場の中、辛抱強く押し目を少しずつ拾っていこうと思う。

別のシナリオを挙げるとすると、

一つは、3年前と同じように中国の疫学的リスクが全世界に高まり、ウイズコロナなどと言っていられないくらいの事態になることにより、各国の金融政策が大規模な緩和に傾くというもの。
まさかとは思うが、こうなったらいよいよインフレが止まらなくなりそうであり、資産格差の拡大、特に貧困層の生活難が懸念される。

もう一つは、これが一番いいのだが、
ロシアウクライナ戦争の終結。物価が下がり、企業業績に即した適切な金融政策が施され株価が上昇基調に転じる。

他にも色々ある。相反するような事象が複合的に重なったり、一言では表現しきれない。

未来は当てっこするものではなく、思いつく限りの可能性に配慮し、覚悟し、何が起きても起きなくても、とにかく生き残れるように準備することだと思う。

本当に想定外のことが起きたら市場には居られなくなる。その可能性もあるが、それはそれで仕方がない。そこから自分にできることをするだけである。