「公務員を早期退職して困ったことは?」と聞かれることがある。

私の場合、困ったことは、、ない(笑)

思い返してみると、少しだけ試練みたいのはあったかもしれないが、

デメリットとか、困ったこととかは本当にない。

試練みたいのがなんだったかと言うと、

一つは、肩書がなくなったこと。

これは、早期退職する前に複数の知人からたくさん言われ(脅され)てきた。

「お前の今までの人脈は公務員という肩書があってのもの。公務員を辞めたら誰も振り向いてもくれなくなる。」

こう言われて私は、

「肩書がなくなることで離れていくような人とは早く離れた方がいい。」

「人間関係に限らず、色んな無駄が削ぎ落とされ、自分を取り囲む環境が最適化されるのが楽しみ。」

などと思っていたが、実際そのとおりになってきている。

だが、分かれ目はあった気がする。

早期退職してすぐ、やりたいことを始めてはいたが、

肩書がなくなり、しばらくはなんの実績もない時期が続いた。

あの頃は、誰も私に声をかけてこなかった(笑)

臆せずにやりたいことをやり、行きたいところに行っていたが、

自分をどう説明したらいいか言葉に詰まったことがあったのはたしかだ。

私の場合、それで悩むことはなかったが、

ここで挫けてしまう人はいそうである。

プライドの高い人ほど危険かもしれない。

それから、これは「リスク」として受けとめているのだが、

人間関係が激変する。

関係性の変質、別れと出会いがめちゃくちゃ増える。

退職と同時にそれまでとは全然違うことをするのだから、

今まで一緒にやってきた人がいなくなり、

新しい出会いが一気に増える。

当たり前のことだが、

別れは、私の心にも様々な作用を及ぼしてきた。

心身のバランスを崩すリスクも間近にあった。

最初のうちは痛みのようなものを感じることもあったが、

今では平気になっている。

時間の経過とともに、自分や自分の周りが最適化されてきているのがわかる。

公務員時代は自分に嘘をつき周りに合わせていたため、いびつな環境の中で窮屈に暮らしていたが、

今は素直な自分に適した環境に変わりつつある。

何かを成し遂げるのは、自分だけの力では無理。

周りを自然と味方につけることによって、力以上の風が吹く。

周りの空気がゆっくりと入れ替わっていく。この感じが心地いい。