ワクチンにすがりたくなる気持ちはよくわかる。

まさに今、国民も政府もワクチンにすがる思いでいる。

だがワクチンの効果は、国民が期待しているほどのものではないと、私はそう思っている。

ワクチンの効果についての情報もたくさんあるが、期待感が強すぎて冷静な見方ができていないのではないか。

そして政府は、

国民の誤解をあえて放置し、政府に都合の良いように利用してはいないか。

わざわざ「国民と政府」と表現したのには理由がある。

国民の思いは純粋。一刻も早く通常の生活や経済活動を取り戻したい。

一方、政府のそれは性質が少し違っている。

「国民の命、健康、生活を最優先。」などと口では言うが、

実際に政府がやっていることを見れば、違うことを優先しているのは明らかである。

政府の目的は、体制の維持。これに尽きる。

端的に言えば、政府は国民の命、健康、生活よりも体制の維持を優先している。

わざわざ言わなくても、肌感覚としてなんとなく感じている人はたくさんいる。

政府とはそういうものだと、諦めるように受容している人も多い。

基本的には私もそうだ。

同時に、けしからんと怒り出す人も当然出てくる。それもそうだろうとも思う。

純粋な思いとすれば今の政府のあり方はあまり良くないと、そう思っている。少なくとも理想的ではない。

だが、政府にしてみれば今のようにするしか方法がないだろう。

今の政府は、

国民のすがるような思いを利用して体制を維持しようとしている。私にはそのように映る。

具体的には、

ワクチン接種率の向上こそが国民の強い願いであるとし、

政府がワクチンの普及に全力を投入しているポーズを取ることによって支持率を維持しようと考えている。

私にはそう映る。

表面だけ見れば、政府は国民の命、健康、生活を最優先にしているようにも見えなくもない。

実際、そう解釈している人も大勢いる。

だが、国民の中には、

国民の命と健康と生活を最優先にするのであれば、

ワクチンの効果や副反応について国民が冷静な分析と判断ができるよう、

政府として、自発的に的確なアナウンスを行うべきであると考える人も少なくない。

ワクチンの効果や副反応について、国民の間に誤解が広がっていることを知りながら、

その誤解を利用(もはや悪用と言っても過言ではない)するようにしてワクチン接種を進めてはいないか。

こうした懸念や指摘は、伏せられていて目立たないが、けして少なくない。

私もそう思う。

本当の意味で国民の命と健康と生活を守ろうと考えているのなら、

ワクチンに対しての誤解を意図的に放置することなどしないはずだ。

私は今ここで政府のやり方を批判したいのではない。

何度も言うが、政府としては今のようにするしかないのだと思う。

私が指摘したいのは、

ワクチンのことに限らず、国民一人ひとりが冷静な分析と判断ができるようになるべきということである。

国民の誤解とはどういうことか。

まず、ワクチンの効果についてだが、

「有効性95%」についても酷い誤解が放置されていると思う。

そもそも日本国内のコロナ感染率は欧米に比べてかなり低い。

アメリカやヨーロッパ諸国のコロナ感染率は軒並み5%を超えているが、

アジアは高いところでも1%程度。

ここには人種による違いがあるのかもしれない。

日本の感染率も欧米に比べるとかなり低い。

この状況下で、ワクチン接種により期待される社会的な効果について冷静に分析する必要がある。

仮に、現時点において日本人の感染率が1%だとして、

一斉に日本人全員がワクチンを接種すれば、国内の感染判明率を1%から0.05%に下げることが期待できる、ということである。

だが、実際には国民全員が接種することはあり得ない。

年齢や性別など全ての条件で満遍なく50%の人が接種したとすると、

国内の感染判明率を元々の1%から0.525%に下げることが、期待される。

ワクチン接種により国内で期待される効果は現実的にはこの辺りではないだろうか。

この数字は現在示されているもっとも基本的な情報を元に、誰でも簡単に計算できることだが、

ここまで考えている人はあまりいないような気がしている。

国内で半分の人がワクチンを接種したら、

感染判明率は1%から0.5%くらいに下がることが期待される。

これが現実的なワクチン接種の効果である。

感染判明者は一人でも少ない方がいいので、無駄とは言わないが、

意外と効果が小さいと感じる人が多いのではないか。

ワクチンを接種したからといって、マスクが要らなくなったりホームパーティーができると思うだろうか。

ここで私は、感染者ではなく「感染判明者」という表現をしているが、

ワクチンはコロナの感染そのものを防止しているわけではないと言うことを、きっちり認識する必要があると思っている。

ワクチンを打っていても、ほぼ同じように感染はする。

症状が軽くなるだけで感染そのものを防いでいるわけではない。

ワクチンを接種して、もう安心だからと人との接触を増やしたりしてしまうと、むしろ感染を拡大してしまう可能性もある。

こうしたことが一般に認知されていたら、今のようにワクチンにすがるような気持ちになるだろうか。

ワクチン接種さえ進めばと、本当に思うだろうか。

今、冷静な受けとめが国内でなされているだろうか。

何故このようなもっとも基本的で大切なことに政府は触れようとしないのか。

触れないということは、何かしら理由があるのではないかと、そんな風に考えてしまう。

早い話、政府は国民の命や健康、生活よりも体制の維持を優先している。

私はそう感じている。

ワクチンの効果については、社会的な効果だけでなく、

個人的なメリットデメリットの視点からも考えておく必要がある。

個人レベルではどうか。

仮に今の私がコロナを発症する確率が1%だとする。

年齢や体質などにより個人差があるが、

今私がワクチンを接種すれば、1%のコロナ発症率を0.05%程度に引き下げてくれる可能性がある。

これがワクチン接種による個人的なメリットである。

他にメリットはあるだろうか。

自分だけでなく身近な人が安心するという人もいるが、接種前に比べて安心できるほどの効果を期待してもいいものだろうか。

症状が現れるリスクを下げる効果は、あるといえばあるだろうが、

ワクチンを接種しても様々なリスクは残っている。

現にワクチン接種後に感染が判明し、重症化している人もいる。

ワクチンを受けることによって安心するとしたら、そこにはどこかに誤った認識があるのではないかと、私はそうも思う。

ワクチン接種後に安心し過ぎてしまい、日頃の感染防止対策を怠ると、

ワクチンの効果をリスクが大きく上回ることもあり得る。

「ワクチンさえ打てば大丈夫」といった間違った認識は非常に危険に思う。

ワクチンを接種することによって、体内に入ってきたウイルスの力を弱めることができていても、

ワクチンが十分に効果を発揮している場合でも、

突破感染、重症化の事例も多数報告されている。

次々と現れる変異株に対応できるのかもわからない。

ワクチンに効果があるかと言えば、たしかにあるだろう。

だが、国内で期待されているほどの劇的な効果があるとは考えづらい。

今の私はワクチン接種に踏み切れないでいる。

感染率を1%から0.05%に下げるために、いまだ得たいの知れない副反応のリスクを負えるだろうか。

副反応についてはわからないことがあまりにも多い。

わからないことは存在していないということではない。

今は見えていないと言うだけで、ものすごく大きい何かがあるかもしれないと言うことである。

私の場合、家系的に自己免疫性の疾患を抱えた親族が複数おり、

5年前には当時19歳の二女を自己免疫性の疾患である全身性エリテマトーデスで亡くしている。

今の私は、

ワクチン接種によるメリットよりも危険の方が大きいと感じている。

もちろん、状況が変われば私にもワクチンを受ける可能性はある。

例えば私がアメリカ人だったら。

アメリカではコロナ感染率が少なくとも7%以上はある。

ワクチンを接種することにより、7%の感染判明率を0.7%程度にまで引き下げる効果が期待できるなら、

今よりは積極的にワクチンを受けようと考えるだろう。

社会的にも個人的にも、アメリカにおけるワクチンの意味は、日本のそれとは明らかに違う。

ワクチンの効果やその意味は、国や地域によってもずいぶん違ってくる。

そうしたことも認識しておく必要がある。

いずれにしても、国や御用学者の展開している一般論は、間違いでも嘘でもないが個人的な決断の決め手にはなり得ず、

自分の場合はどうなのか、常に自分自身で冷静に分析し、判断していくしかない。

自分だけでなく、家族の命、健康、生活をも守らなければならないのだから、

そうした判断を人任せにはできない。

判断は自分自身で下すしかない。

そして、それぞれの判断を尊重し合うしかないと思う。