公務員としての仕事は忙しかったが、正直言うと、大半が無駄な作業だと思っていた。

大事な役割に違いはないが、あまりにも効率が悪すぎる。

行政運営には税金が使われているのだから、時間と資源をより有効に活用したいと思うのだが、巨大な組織のシステムを変えることは簡単なことではなく、納税者に対して申し訳ない気持ちでいた。

また、公務員としての役割以外にも、一人の国民として、道民として、地域社会の一員として、家族の一員として絶対にやるべきことや優先順位の高いことが山ほどあると感じていた。

行政組織の歯車として忙しく働きながら、「今、こんなことをしてる場合じゃないんだけどな。」などと思っていた。

公務員を辞めてからは、「いい大人が仕事もしないで、暇なんじゃないの?」などと言われることもあるが、

やるべきこと、やりたいことだらけで、まったく退屈していない。

掃除、洗濯、炊事、庭の手入れなどの家事もいくらでもあるし、

未来のために、学び、準備しなければならないことが山ほどある。

身近な地域社会の活動や、被災地や高齢過疎地などのボランティアにも参加したい。

やりたいことにスムーズに入っていくためには、社会的な信用を確立していく必要も感じている。

信用は一朝一夕に出来上がるものではなく、日々の地道な積み重ねしかない。

そのためにも、社会人として自らの考えを表明し、小さな実践を重ね続けていく必要がある。

考え方の違う人たちとも意見を交わし、現実的で建設的な今と未来を手繰り寄せていかねばならない。

やりたいこと、やらねばならぬことばかりではないか。

とても公務員などをやってる場合ではない。退職してよかったと心から思っている。