近年、定年前の退職を考える人が増えてきているが何故だろう。
- 仕事は増えるが人が減り、労働者一人当たりの負担が大きくなっている。
- 企業収益の成長が見込めず、将来的に十分な労働収入が見込めない。
- 企業組織が業績に関係なくリストラを志向しており、いつ解雇されるかわからない。
- 労働環境が悪化するなど様々なストレスに曝され、健康状態を維持するのが難しい。
他にも色々あるが、大雑把にはこんなところだろうか。
長年にわたり日本社会の常識と思われてきた終身雇用や年功序列のシステムは、いまや完全に崩壊している。
国内市場が縮小し経済成長が見込めない中、企業も政府も労働者そっちのけで資本収益を追及せざるを得ない状況にある。
労働者の地位がどんどん低下し、今や黒字企業であっても大規模なリストラが当たり前になっている。
今となっては、組織の中でひたすらに耐え、懸命に働いたところで状況が改善されるわけでもない。
たまたまリストラの対象にならずに職場に居続けることができたとしても、ストレスフルな環境で心身への負担は膨らむ一方。
給料は減額され、定年まで勤めあげたとしても退職金は雀の涙。
やればやるほど心も体も消耗し、退職後に自分らしい生き方をするだけの元気もお金も残っていない。
会社が労働者の最低限の生活を守ってくれないのなら、自分の生活は自分で守り、自分でデザインしていくしかない。
だが本来は、どんな状況であっても自分の人生は自分でデザインしていくべきものである。
最近の社会の変化はたしかに厳しいものであるが、
これでようやく、私たちが本来の当たり前の思考に戻ることができたとも言える。
「会社や何かに依存しなくても生きていける仕組みを、自分自身の責任において構築する。」
そう考える人が増えてきたのは望ましいことだと思う。