私は、2020年3月31日をもって27年勤めてきた某地方自治体を早期退職した。
私が公務員を辞めたのには、次のような理由がある。
- 社会のニーズに見合った仕事をしているという実感がなくなった。
- 一人当たりの仕事量が増大する一方、そのほとんどが無駄、もしくは非常に効率が悪い。
- 建設的な意見を出せる雰囲気に乏しく、意欲が減退した。
- 圧倒的な事務量に忙殺され、発展的、創造的な社会的活動が事実上阻害されている。
- 組織としての思考が硬直化し、自由で建設的な発想が生まれずらい。
- マニュアルに縛られ、非常時においても迅速で柔軟な対応を取ることができない。
- 職場全体が殺伐とし、職員個々が自らの保身ばかり考えるようになっている。
- 不毛なストレスに耐え続けることに意味を見い出せなくなった。
さらに、
- 個人の意見や希望に無関心な組織の在り方に未来を感じることができない。
- 組織における中間管理職、管理職としての役割に意味を見い出せなくなった。
- 公務員の仕事の大半はいずれAIにとって代わられると思っている。
こうして眺めると、不満や悪口みたいのばかりが並ぶが、別に恨み言を言いたいわけではない。
27年間、元気に働いてこれたこと、たくさんの出会いにも心から感謝している。
だが、だからと言って、これからも私がそこで働けるかどうかは全くの別問題である。
私はさほど変わっていないと思う。
組織も変わっていないが、あまりにも変わらなさすぎて、現代社会とのズレが決定的に広がってしまっていると、私はそう感じている。
巨大な行政組織はなかなか変われない。これは仕方がないことだと思う。
そして、さらに私自身のことで考えると、
- このまま公務員を続けても、人生において必要なスキルが身につかない。
- 年齢とともに人生の目的に向かうための時間と体力が限られてきている。
- 子どもたちが成人し独立した。
- 元々やりたいことがある。
だいたいこのような理由で退職を決断した。
私にしてみれば何年も前から考えていた自然な流れなので、どこにも迷いはない。
水が高いところから低いところに流れるのと同じくらいに自然なことに感じている。
あらためて思い返してみても、27年前と現在では社会情勢も大きく変化している。
私の公務員生活も大切な家族とともに非常に意味のあるものであったし、これから公務員として働き続ける人にもそれぞれの意味があると思う。
ただ、人口減で地方から衰退していく中、意識やシステムが旧態依然のままであるならば、地方自治体は変化に対応できないまましだいに沈んでしまう可能性がある。
個人がどんなにあがいても、巨大組織の惰性を止めることはできない。
そもそも組織は変革を望んでいない。そこでもがけばもがくほど、居心地が悪くなるだけである。
しっくりこないなら居場所を変えるだけのこと。
私自身、「この組織は泥舟になるかもしれない。」と思ってしまっている。そんな気持ちで身を委ね続けることは、私にはできない。
どうなるかわからないが、新しい自分の舟を作ろうと思っている。
その結果がどうであれ、何かに依存したまま生きていくことはできない性質なのだ。シンプルに自分の人生に責任を持ちたいと思っている。
私も公務員の技術職を12年勤めて辞めたクチです。よくわかります。しかし、民間はもっとひどいところもありますよ。民間に移ってすぐに思ったのは何をしてでも、嘘をついてでも兎に角ゼニ金を儲ける、という人々に接し、呆れたことです。かといって公務員もデモシカ的な人ばかり。辞めてから8年経ちますが、貯金もできたので隠居してます。公務員の時は、国家のために、身を捧げる勢いで身体を壊しましたが、身体が丈夫なら今でも戻りたいとおもいます。結局働くってなんだったんだろうって思ってます。無私で奉仕できた時が一番幸せだったかな、などと、、、戯言ごめんなさい。
よっちゃんさん、こんにちは。コメントありがとうございます!
今は官民問わず、組織のあり方が問われているのかもしれませんね。ほとんどの仕事が社会のニーズからズレてしまっていると思うし、組織の論理が非常に強く個人を圧迫している。個人がモチベーションを維持するのは一般に難しくなり、のし掛かってくる負担がものすごいことになっていると思います。これは根性でどうこうできる性質のものではないかもしれません。
これからは官も民も変わらざるを得ないと思います。どうあるべきか、私は、とりあえず組織の外に出てみました。当面は個人の視点から考え、行動していきたいと思います。
私も早期リタイア考えてます。また教えてください。ブログ読んでくださりありがとうございます。
こちらこそありがとうございます。長年公務員として勤めてきましたが、大きく社会が変わりつつあるように感じています。
これからのことを考えた時、ここで退職するのがもっとも自然だと思いました。
これからどうなるかまったくわかりませんが、やりたいことをやってみようと思っています。
はじめまして、森と申します、記事を読んで頂き有り難うございます、公務員をなされていた方が、新しい事にチャレンジされている姿は、本当に、凄い事だと、尊敬致します、今後とも、よろしくお願いいたします。
こちらこそありがとうございます。公務員は思考や行動が事実上かなり制限されていて、このままでは自分の人生をまっとうできないと考えました。やっていけるかわかりませんが、迷いはありません。
ご返信、有り難うございます、わたしも、分野は違いますが、自分の船を作っていきたいと考えてます、よろしくお願いいたします。