古い本に私が大学1年の時の写真が挟まっていた。

写っているのは大学で一番最初に親しくなった武見と私。

圧倒的に背が高く、初対面からやたら馴れ馴れしいロン毛野郎。

好きなタイプではなかったが、何故かずっと私にまとわりついてきて、

初登校のその日から、強引に昼メシのラーメンを付き合わされた。

どこのゼミに入るのか、熱く語るヤツの姿が昨日のことのように思い出される。

どういうわけか、私が行くところ全て後をつけてくる。

授業だけでなく、メシや図書館、サークル活動なども。

ヤツは野球など絶対やらないタイプなのだが、私が野球サークルに入るとヤツも入ってきた。

いつも一緒にいたが、性格はほとんど真逆で何度も衝突した。それでも4年間ずっとそばにいた。

ヤツは私のことが好きだったと思う。私もヤツがいない日は物足りなく感じた。

所属していたゼミではヤツがゼミ長で私が副ゼミ長。

大学卒業後もヤツの故郷新潟の弥彦温泉で2人きりでしこたま呑んで一晩中語り合った。

もっともっと話したかったのに、ヤツは先に逝ってしまった。

急ぎはしないが、いずれ私も死ぬ。そうしたらまたヤツとゆっくり酒を呑む。今から楽しみだ。