アシㇼパ アウㇰ ワ オンカミ アン ナ!

岩見沢アイヌ語勉強会☆ミナパの勉強会に行ってきた。

今回のテーマは、「アイヌの新年の挨拶&祈り」。

中世の北海道、アイヌ社会において、現代の「新年」に相当するものが認識されていたかは私にはよくわからない。

年のことをアイヌ語で「パ」と言うが、この「パ」は、必ずしも春夏秋冬のワンサイクルを指すわけではなかったと言われている。

アイヌ語で、春はパイカㇻ、夏はサㇰ、秋はチュク、冬はマタと言うが、

サㇰパ(サㇰ=夏、パ=年)、マタパ(マタ=冬、パ=年)などという表現も多く見られ、一つの夏、一つの冬をそれぞれ「一年」ととらえていたとも言われている。

パイカㇻ(春)とチュク(秋)は、サㇰ(夏)とマタ(冬)の間にある移行期間と受けとめていたとの説もある。

だからおそらく、かつてのアイヌ社会では、現代のように新年の瞬間を明確に認識する習慣はなかったのではないか。

その上で、アイヌに引き継がれてきた精神を現代に当てはめ、あえて言葉にするとすれば、

『アシㇼパ アウㇰ ワ オンカミ アン ナ』という言い方がある。

(アシㇼ=新しい、パ=年、ア=私たちが、ウㇰ=受け取る、ワ=~なので、オンカミ=拝む、アン=私たち、ナ=~しましょう)

直訳すると、「新年を迎えたので、みんなでお祈りしましょう。」となる。

もちろんこのフレーズに限ったものではなく、表現方法はそれこそ無数にある。その時の状況でどんな言い方でもかまわない。

要は、「ともに大自然からの恵みにあらためて感謝し、祈る。」、そういうことである。

「明けましておめでとうございます。」このフレーズも好きだが、

ここ数年の私は、『アシㇼパ アウㇰ ワ オンカミ アン ナ』を仲間たちと交わし合うことが増えてきた。その方がなんとなく、よりしっくりくる。

私はアイヌ民族ではないが生粋の道産子である。アイヌ語は北海道土着の言語。

そう考えれば、しっくりくるのも当たり前か。

普段の私たちは自然から切り離された環境で生活しており、感謝する心を忘れがちである。

だが、どんなに科学が進んでも、私たちが地球環境、大自然から生まれ、育ってきた事実は動かない。

ここにきて現代人の意識が一周し、疎かにされてきたものが見直されつつある。

私たちには、先人たちが残してくれたメッセージを今一度かみしめ、次世代に引き継ぐ責務があると思う。