私は今53歳だが、いくつになっても恋愛について語るのは難しい。
本来は難しくもなんともないことなのだが、
現実には色々あって難しい。
難しく感じるのは、今の社会のあり方のせいだと思っている。
今のような社会では、
恋愛について、おそらくどんな風に言ってみても、聞き手や読み手の受け取り方によってややこしいことになる可能性が高い。
面倒くさくなりそうだから、ほとんど誰も何も言わない。
感じ方や考え方は人それぞれなのだから、違うのが当たり前で、
純粋に違いを楽しめばいいだけなのだが、
「普通」を押しつけてくる今のような社会では、そこに浮き上がってくる個性は居心地が悪くなる。
恋愛における「普通」など、どこにも存在するはずもないのだが、
今の社会には、
まず身の安全を確保するという観点から、
人の感情を不安定に揺り動かす可能性のあるものを遠ざける空気が充満している。
そのせいか、普段の生活では出会いがないと感じている人も多い。
そんな中でも、
100人いたら100とおり、もしかしたら1人当たり10とおりくらいの複雑な恋愛論があるはずだが、
面倒くさくなりそうだから、思いを口にする人はあまりいない。
思考停止している人も多い。
もったいないと思う。題材としてとても面白いことのはずだ。
とぼけた顔をしているが、恋愛が大好きな人はかなりいる。
私も言葉にしづらく感じてきたが、
年齢とともに、なんとなく話せそうなイメージも湧いてきている。
なので今日は、ちょっとドキドキするが、少しだけ触れてみようと思う。
日々人のいる場所で生活していれば、「ああ、なんとなくいいなこの人。」と思うこともある。
照れてる場合ではない。ごく自然なことだ。
私はとにかく、
できるだけ心地よい時間を過ごしたいと思っていて、
同じような感覚、気持ちでいる人を見つけると嬉しくなる。
どうせ誰かと一緒にいるのなら、互いに気持ちのいい関係でありたい。
お互いを好ましく感じ合えるなら、
それが一瞬でも、私だけの勘違いだとしても、とても幸せな気分になれる。
そう思うのはごく自然なことだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
その際、性別は関係ない。
だが性は、私たちの前に厳然と横たわっており、
時に私たちの感情を激しく揺さぶってきたのも事実である。
何が私たちをそんなにも揺さぶるのか。
人は、それぞれ感じ方、思考も違う。
相手からどう思われているかわからないと、多かれ少なかれ感情が揺れる。
精神的に未熟だつたり、時に性欲なども絡み、感情がどうしようもなく昂ることもある。
だが、自分勝手な感情がどんなに激しく吹き荒れようとも、
突き詰めていけば、元々は、
自分だけでなく、自分が好ましく思う人にも心地よい気持ちでいて欲しい。
それだけのことのはずである。
だが、特に若い頃には感情が暴走し、
本質を見失い、自己をコントロールできなくなってしまうことも少なくない。
暴力を振るったり、そこまでいかなくても、せっかく良好だった関係が壊れてしまったり。
だから異性に対して臆病になっている人がとても多い。
ある意味仕方がないのだが、やはりもったいないと思う。
できることなら、
幸せな気分にしてくれた人に、素直に温かい気持ちを伝えたい。
シンプルにそう思うが、たったそれだけのことでさえ叶わないことも多い。
自然に気持ちを伝えられる状況はけして多くない。
さまざまな事情が絡み合い、
多くの場合、伝えられなくても仕方がないのだ。
心の中で感謝できるだけでもありがたい。
相手がどう感じるかわからない場合は、けして無理をすべきではない。
たしかに気持ちが通い合えたら嬉しい。
どうせならそんな関係を増やしたい。
ウィンウィンが量産できたら理想的だ。
そこに近づくには、最低限、自分勝手な感情に振り回されないことだ。
不安が強くなると妄想の世界に埋没してしまう可能性があるが、
妄想に支配されるのではなく、
ウィンウィンの、よりよい現実を少しずつ積み重ね、
小さな幸せを、一つひとつ大切に育てていきたい。
その過程の中で自らの魂を磨いていく。
そこに悦びがある。
本来、男女関係もごくシンプルなもの。
時代やたまたま置かれた環境などによって関係性は思いどおりにならないことが多いが、どうであれ良くも悪くもない。
いつであれ根っこのところは変わらない。
それぞれが心地よく、思い合い、ウィンウィンの関係を目指すこと自体が素晴らしい。と思う。
現代の「恋愛」という言葉には、
感情のコントロールが難しいという、一部不安感を伴ったニュアンスが混じっているように感じられるが、
個人的には、恋愛とは、もっとシンプルで安定的なものだと思っている。
妄想ではなく、現実的に相手を思いやるだけのことであり、
そこで直面する可能性のある不安や欠乏感をも、自らの魂を磨く力に変えていく。
その上で目いっぱい素直になればいい。
私は、恋愛は基本的には非常に個人的なものだと思っている。
照れてる場合じゃない。
やましいことでもなんでもない。
私にも大切な家族がいる。妻や子どもたちのためにも、もっともっと心豊かでありたい。
だからこれからも、いい恋愛をたくさんしていきたいと思う。
とても興味深い記事でした。ありがとうございます。
私は、ゆたかなおなかさんのひとつ上ですが、このぐらいの年に恋愛してみたかったなぁと思いますが、「墓場に近き老いらくの恋は 恐るる何ものもなし」と歌にもありますのでお気をつけて
ありがとうございます。
「恐るる何ものもなし」笑
たしかに笑
こうしたことは、人それぞれ、タイミングによっても受けとめ方はさまざまで、口にしたり文字にするのも簡単ではないですね。
そこをサラッと表現できるようになりたいと思うところあります(^。^)