先日、東京にいる長女が一時帰省した。
長女が東京で就職してから3年半が経つが、
北海道生まれの北海道育ち。
やはり北海道が好きなようだ。
長女が帰ってくると私たちも嬉しい。
夫婦で仕事を休み、わざわざ空港まで迎えに行く(笑)
長女は古いものが好き。
飲食店なども、古くて雰囲気のある店を好んで探しだす。
最初に目指したのは、白老町で蟹飯を500円で食べることのできる店。

白老町のかに太郎。
国道36号線沿いの海側にあるのだが、
見た目には物置か、すでに廃墟に見えなくもない(笑)
見過ごさないよう注意深く見ていたのだが、危なく通り過ぎるところであった。
建物の形状が、かなり珍しい正12角形。
正12角形を英語で「ドデカゴン」と言うらしい。
3角形 トライアングル、4角形 スクエア、5角形 ペンタゴン、
6角形 ヘキサゴン、7角形 へㇷ゚タゴン、8角形 オクタゴン、
9角形 ノナゴン、10角形 デカゴン、11角形 ヘンデカゴン、
12角形 ドデカゴン。
キリがないので13角形以降はやめておく。
86歳のおじいさんが一人で店を守っている。

創業は昭和44年。なんと、私と同い年ではないか。
かつては本州からのツーリングライダーなどが、かに料理を目当てに大勢来たらしい。
「こんなんが顔真っ黒にして、まだやってるんですよ。病院行くより楽しいしな。」
店内東側半分は物置と化しているが、
大事にされてそうなプランターのお花にも生気が漲っている。
メニュー表がぶら下がっているが、

今は「かにめし」しかやってない様子。
おじいさん、ホカホカのかにめし(味噌汁、漬物付)をテキパキと盛り付けてくれた。

昔懐かしい味、温かくてとても美味しい。
私たちの他にも入れ代わり立ち代わりお客が出入りしている。
この、正12角形ドデカゴンの空間に、
時空を超えてたくさんの魂がひしめき合っているような、
悦びと愛が沸き立っているような感じがした。