今朝は朝4時に目が覚めた。
直前まで夢を見ていた。
まだ暗いのでしばらく布団の中にもぞもぞしながら、私はその夢を振り返っていた。
大学卒業を間近に控えたある日、
寮の自室に私は隠れている。
ある人が私を探していて、寮の廊下をうろうろしているのだが、私はその人と会いたくない。
同期の仲間たち数人が、さりげなく私をかくまってくれている。
だがこの寮は古く、間もなく取り壊される。
この部屋から出ていかねばならない。
ほどなく館内放送で寮生全員に召集がかかり、
いつものように仲間たちとガヤガヤと、だが何となく守られながら集合場所の食堂へ向かう。
すでに寮は一部取り壊しが始まっていて、
食堂には使えなくなった物が乱雑に置かれている。
古くて大きな本棚、机、椅子、額に収められた写真やボロボロの本やら何やらかにやら。
私たちの安息の場所だったこの空間が雑然としている。
もうここには留まれない。
壁から下ろされた額のうち何枚かが、
短い動画のように動いている。
寮の歴史が動画再生されている。
その中に少し不思議な感じがする一枚があった。
なんとなく気味が悪いのだが、私はその写真を見ていた。
私のいない場所で、私のことを噂している一団が映し出されていて、
そこに、私を探している人と近しい人が突然出てきて、
その人物が、画面の中からこの私を見つけ出し、
目が合った。
嫌いではないが、私はその人物の期待に応えることはできない。
何事もなかったように、私は仲間たちと談笑しながらその場を離れた。
そのまま、寮の近所のある広場に移動した。
そこではちょうど古いウルトラマンシリーズの撮影が行われていて、
私たちがそこに着いた時にもロケが行われていた。
古くさい演出を、、仲間たちとニヤニヤしながら眺めている。
ウルトラセブンがアイスラッガーを放つのだが、よく見るとトサカだけでなく頭が丸ごと飛んでいて、それに気づいた仲間たちと顔を見合わせて、笑う。
ロケが終わり、
広場に関係者やら何やらかにやら、やたらたくさんの人がわらわらと出てくる。
その混雑の中、
さっきまで私を探していた人物が私を見つけ、私の名を呼びながら近づいてきた。
一瞬、ハッとしたが、
大勢の人が行き交う中、私はその人物となんとなくはぐれた。
その人物の表情と声を憶えている。
母親だった。