昨夜、大切な友人が亡くなったとの報せを受けた。

なんの前触れもなく、突然に。

ショックで頭がクラクラして、何も考えられない。

彼と私は同じ1969年5月生まれ。何故か趣味が似ている。

とにかく、彼も私もバイクと野球が好き。

互いに似たような250ccのオフロードバイクに乗り、数え切れないくらい一緒に、秩父や奥多摩の林道に入った。

彼と私は林道の走り方にも似ているところがあり、

今もあの頃の走りと息づかいが脳裏に焼きついている。

一月半ほど前、私は彼と久しぶりに会った。

彼は、当時と同じ私の相棒DR250Sに跨がり、

昔と同じリズムでキックして、ブルン!とDRのエンジンを回した。

DRが少し驚いている。

DRのキックはとても難しい。

私の他にこのDRのエンジンをかけれるのは、彼だけだ。

30年前と同じように、彼は颯爽とDRを操る。

DRも彼との再会を喜んでいるようだった。

彼は高校野球マニアでもあり、選手のエピソードなどについてたくさん語り合った。

バイト先も何故かよく似ていて、たぶん仕事の仕方も似ていた。

私の部屋で古い写真を眺めながら、

バイト先の親方さんの話など、懐かしい話で盛り上がった。

来年は、一緒に野球を観ようとか、キャンプをしようとか、色々楽しみな約束をしたばかり。

これからさらに、愉快なジジ友になるのだと思っていた。

彼がいなくなるなんて、そんなこと、考えたこともない。

次女を亡くした時もそうだったが、

私は、彼といつも一緒にいるのだと思っている。

今も秩父のあの林道で互いの愛車を操りながら、二人で野球やバイトの話をしている。

最高に楽しくて贅沢な気持ちでいる。

もう寂しくなんかない。