久しぶりにエンゼルスの試合を見ている。

目当ての大谷は、ここ3試合で11四球。見ていても打てる球がほとんどない。

ボール球に手を出さないのは流石だが、

フラストレーションは相当なものがあるはずだ。

春までの大谷は広角に打ち分けていたが、

夏以降、打球方向が右に偏っていることが指摘されている。

大谷が変わったと言うより、

相手バッテリーの大谷への攻め方が変わっている。

それに対する大谷の対処の仕方、意識配分も間違っていないと思うのだが、

ここまで徹底されると、

流石にストレスが溜まってくると思う。

ボールの待ち方はいいと思う。

隙が見当たらず、

ピッチャーにしてみれば、今の大谷にはストライクゾーンで勝負しずらい。

今はその効果がそのまま出ている。

最初から歩かせるつもりはないのだが、

球審の誤審でもない限り、滅多に誘いに乗ってこないし、

大谷の醸し出す圧力が、

相手ピッチャーの戦意を失わせている。

純粋に凄みを感じるので見応えはあるのだが、

やはり一野球ファンとしても真正面からのガチンコ勝負を見てみたい。

誰よりも大谷本人がそう思っているに違いない。

後ろにトラウトのようなバッターがいれば、今のように勝負を避けられることはないだろうし、

余計な雑念が入り込みやすい状況が続いている。

メンタルのバランスを崩さずに居続けるのも簡単ではない。

ここで信念を貫けるかが、

これからの大谷の鍵を握っているように思う。

ボールの待ち方や意識配分をコロコロ変えたり、

つまらないところで意地を張り続けるのではなく、

誰よりも自由で自在な大谷のスタイルを忘れず、

信念を貫き通して欲しい。

大谷には規格外のスケールの大きさを感じている。

たぶん、今の苦しみは大谷にとって必要な過程で、

乗り越えることが可能な試練なのだ。

ファンとしては、

山を乗り越えた先の、今よりさらに大きな大谷を見たくなる。

投手として、

15勝、200投球回、200奪三振。

打者として、

3割、50本塁打、100打点、30盗塁。

同一年にこれら全てを達成し、さらに躍動する大谷の姿を夢想している。