誤解されることを覚悟ではっきり言うと、

私は、公務員制度は権力者が国民を飼い殺しにするための巨大なシステムだと思っている。

表向きは誰もそう言わないし、公務員制度が今の社会で重要な役割を果たしているのも事実だが、

現実的な作用としては、国民飼い殺しの効果が一番大きいのではないか。

戦後から75年以上経過し、制度疲労の目立つ中、私はそのように感じている。

はっきり言っておくが、

私は公務員制度の批判をしたいのではない。

よりよい未来を作るため、

現実を正面から受けとめておく必要があるから敢えてこのような言い方をしている。

今の公務員制度は、設計段階から国民を支配する目的が強く意識されていたはずだ。

戦後の日本も民主主義を標榜してはいるものの、

国民一人ひとりが本当に自由に思考し発言するようになると、収拾がつかなくなる。

権力者が国民を安定的に支配するためには、

まず国民から物事を深く考える習慣を奪う必要があった。

教育と称し、子どもの頃から自分の頭で考えることを止めさせ、結論を押しつけられることに慣れさせてきた。

これにより大多数の国民は自立性を失い、権力に寄りかかるしかない依存体質となる。

その上で、さらに学歴を利用する。

従順で比較的能力が高い者たちに一定の地位とお金を与え、根拠のない優越感を植えつけることにより権力への不満を抑え込む。

彼らに余計なことを考える暇のない程度に、生かさず殺さず働かせておけば、個人の本音を封じ込める空気が自然に形成されていく。

国内の治安を安定させるためによく考えられ、実際によく機能してきたと思う。

だが、近年は国民が自発的に情報を集めそれぞれが色んなことを考えるようになり、

これまでと同じようにはならなくなってきている。

権力に依存する者が減り、

自分の頭で思考し、行動する者が増えている。

もはやこの流れを止めることは不可能であり、

政府としても受けとめるしかないところまできている。

これは現実に起きていることであり、

好きとか嫌いとか、いいとか悪いとか、そんな話ではないのだ。

現実を冷静に受けとめ、私たちはそこを基点に未来を目指すしかない。

すでに優秀な学生が公務員を進路として選ばなくなっており、人材の流出も指摘されている。

そんな中、いまだに公務員と言うだけで根拠のない優越感に浸り、地位やお金を目当てにしている者もいる。

基本的になるようにしかならないし、現実は急には変わらない。

だが私は悲観していない。

今こそ、国民一人ひとりが同調圧力から自由になり、それぞれの頭で未来のあり方を考えることが求められていると思う。

公務員に限らず、個人の中に眠る力は相当なものがある。

いずれ、不必要な緊張からお互いを解放し合うことにより、新しい活力で未来を目指すことになる。

とても楽しみに思う。