今から2週間後の8/20頃には、東京の新規感染者が1万人を超える見込みだという。
たいへんな数である。
ワクチンの効果が世間の期待どおりならば、こんなことにはならないないはずだ。
今起きている感染拡大の理由を未接種者に押しつける向きもあるが、それだけではとても説明がつかない。
結局のところは人によるが、
だいたいにおいて未接種者は慎重だ。
誰もコロナに感染したくない。市中感染が増える中、無防備な自分を守ろうと、今まで以上に慎重な行動を取る人が多い。
少なくとも今のような感染状況で、以前に比べ感染予防を怠るような人はほとんどいないのではないか。
一方、これも人によるが、
既接種者の中には接種後は何をしても平気だと思っている人がけっこういる。
目立つのは嫌なので人前ではマスクをしているが、
目立たない場所で密になり、マスク無しでパーティーしたりしている人もいる。
彼らには、接種後は何をしても感染しないし、感染させないという前提があるようだが、
これでいいのだろうか。
ワクチンを巡り、明らかな誤解が拡がっている。
そもそもワクチンは症状を抑える目的で開発されたものであり、感染そのものを食いとめるものではない。
感染そのものを抑える効果については何一つとして実証されていない。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0011.html
このことは厚労省の公式アナウンスでも明確に示されており、
みんなが知っているはずだ。
だが、
ワクチンを接種すれば、重症化リスクを下げるだけでなく、
感染そのもののリスクも下がると、多くの人がそのように思い込んでいる。
抑圧から早く解放されたい気持ちはわかるが、
科学的な事実(ワクチンは感染そのものを防ぐものではない)と、
今起きている現実(感染者が増えている)を無視するわけにはいかない。
最近の新規感染者数の推移を見ると、
ワクチン反対論者でなくとも、
ワクチン接種者がウイルスを拡散している可能性について疑わざるを得ない。
以前、「感染していることに気づいていない若者がウイルスを拡散している。」との指摘がなされたことがあったが、
今はそれと似たようなことが起きているのではないか。
若者たちは肩身の狭い思いの中、多くは慎重な行動を取ってきたと思うが、
ワクチンさえ打てば自由だというムードが支配的な今は、行動にブレーキをかけるものがほとんどなく始末が悪い。
ワクチン接種者が誤った認識と行動を繰り返すことで、さらなる感染爆発が起きる可能性もあるのではないか。
特に日本は抑圧の強い社会であり、
ワクチンさえ打てばなんでもできるようになり、未接種者よりも優位に立てると、そう思い込みたい人が少なくない。
中には、
感染爆発が起きようがそんなことはどうでもよく、自分さえ自由ならそれでいいと考えている人もいる。
政府も政府で、ワクチンの効果が世間で誤解されていることを意識的に放置している。
ワクチンを妄信、誤解されているくらいの方が接種率を上げるのに都合がいい。
政としてはとにかくワクチン接種を進めたいのだ。
結果として感染爆発が起きようとも、
さりげなく公式ホームページに当たり障りのないメッセージを載せておけば、批判をかわすことができる。
ワクチンを巡っては世界の政財界がガッチリ結束していて、
政府としては、日本だけワクチン接種が進まないという事態は絶対に避けなければならない。
国民の命、健康などは二の次なのである。
薄々感じている人もいるが、
多くの国民は政府メッセージをそのまま素直に受け取り、
マスコミもそこに乗っかり、日本社会は盲目的にワクチンを強制し合うムードに突き進んでゆく。
この上、接種証明などがまかり通るようになると、飛行機の利用やイベント参加時などから差別が進む可能性もある。
だが、ここまできたら差別しようが、何をしてもしなくても感染爆発は避けられないだろう。
分断と差別と感染爆発が同時に進行する。
悲観的なことばかり書いてきたが、
ここは私が感じていることを述べる場所なので仕方がない。
事実は事実、個人的な予想はそれとして受けとめ、問題はそこからどうするかである。
オリパラ後、国内における諸活動への抑止力はほぼ利かなくなる。
政府の求心力はさらに低下し、
感染症との向き合い方などについても、
国民の意識は当然変わる。
医療機関はたいへんだと思うが、
社会はコロナを現実的に受容し、なんとなくやり過ごしていくことになる。
ワクチンについての正しい理解が進むのは、まだ先になりそうだが、
何かしらの学びを実感する人は増えるだろう。
すぐには展望が見つからないこともあるが、無理矢理見つける必要もない。
トータルで現実を受けとめる人が増えている。
時間はかかるが、色んなことが良くなっていくのではないか。
どんなに正論を振りかざしても、
他人を変えることはできないし、変えようとも思わない。
私は地方公務員として長く保健福祉に携わり、感染症予防の担当者としてもそれなりの経験を重ねてきた。
27年にわたり公共の利益のため働いてきたが、
その精神は今も同じである。
行政組織を離れた今だからこそ、公共の利益の視点から思っていることを正直に話せたりもする。
この記事も公共の利益を胸に書いている。
私は私のできることを地道に積み重ねていく。