数日前、2020年国勢調査の人口速報値が発表された。
北海道の総人口は522万人。前回調査の5年前から15万人(2.8%)減っている。
道内179市町村中、5年前との比較で人口が増えたのは12市町村のみ。
札幌市、千歳市、恵庭市、江別市などの道央圏と、ニセコ町、占冠村など一部のリゾート地を除き、
北海道は全体として人口減少が常態化している。

こうなることは何年も前からわかっていたことであり、別に驚きはないのだが、
新型コロナによるパンデミックが社会状況と人々の意識を微妙に変化させている。
個々の価値観にもよるが、地方には都会にはない魅力があるとされ、
「集中から分散」の意識が高まり、実際に地方移住の動きも見られる。
私の住む空知管内の人口も初めて30万人を割り込み28万人となった。

ピークの1960年には82万人を超えていた往時の姿は見る影もない。
炭鉱が閉山し、農業以外の基幹産業を失った空知の人口は減る一方。
自然減、社会減ともに歯止めがかからない。
道内の人口減少率上位4市町村は全て空知であるが私は悲観していない。
まず、空知は札幌に近く地理的に便利。
自然が豊かで四季の移り変わりをはっきりと感じることができる。
私の住む岩見沢市は、札幌まで電車で25分、高速道路で30分。
ニセコや富良野などのように観光客がどっと押し寄せてくることがないというのも、
見方を変えれば利点と見ることもできる。
雪が多いのが難点だが、
大自然の厳しさを感じつつ、心静かに生活することができる。
その意味でこれからの私にもぴったりの居場所だと思っている。
炭鉱遺産、独特の食文化、新興のワイナリーなどが注目されてはいるが、
おそらく空知では大規模なリゾートブームは起こらない。
そこがいいのだ。
レアなファンが少しずつ空知に集まってくる直感がある。
これまで高齢過疎化は難しい問題として捉えられてきたが、
従来の常識から離れた、新しいマチづくりも可能だと思っている。
全国の高齢過疎地の、
未来のモデルケースとして注目される可能性を秘めている。
難しいことを考える必要はない。
常に手探りになるだろうが、
その時に出来ることを、楽しみながら地道に積み重ねていけばいい。
私はそう思っている。