人間関係というのはとても複雑で面白いと思う。

人にはそれぞれに色んな事情があり、

突然、予想もしていない事態に直面することもある。

ふとした瞬間に些細なことで行き違い、

安定的にバランスしていると思っていた関係が一瞬にして崩れることもある。

だが、私はあまり残念だとは思わない。

それも必然なのだ。

誰も悪くない。仕方がないことだと思っている。

見た目の関係性がどうあれ、良くも悪くもない。

人間関係がスムーズであることに越したことはないが、

無理をしてまで関わり合うのは意味がないどころか、マイナスだと思っている。

私は、表面上の関係を取り繕うためにエネルギーを使うつもりはない。

無駄に疲れるだけだし、得るものが無い。

そんな関係は相手にとってもプラスにならないと思っている。

だから無理に立て直そうとは思わない。

無理でなければ元に戻ることがあるかもしれない。

別に意地を張っているわけではない。

だが、バランスが崩れているのだとしたら、そこには必ず理由があるのだ。

一方もしくは両方がどんなにトボけても、そこには厳然と、何かしらの事実が横たわっている。

誤解が解ければ元通りになれると思う人もいるだろうが、

私はそうは思わない。

人の思考と感情はそんな単純なものではない。

私の場合、直面している出来事を常に多面的に眺めている。

基本的に事実は事実としてそのまま受けとめている。

その事実はどれもこれも良くも悪くもない。

人間であれば様々な感情が湧き上がるが、それはそれである。

少なくとも私は、感情に支配されて何かを思い込むということはない。

だから、

誤解はほとんどないと思っている。

約一年前、

私はある知人との関係性が崩れていると感じていた。

もちろん私は当時も今も何も決めつけてはいない。

だが、連絡を取る頻度がある時を境に激減し、

私はそれまでとは違う感覚を覚えていた。

これは紛れもない事実だ。

だから、

その知人からいくら「何も変わっていない。」と言われても、

私にとっての事実が変わることはない。

その知人にも私の知らないたくさんの事情があるだろう。

その知人にとってどんな事実があるのかは、私にはわからない。

わからないし、私が知らなければいけないことでもない。

その知人の受けとめている事実は、私とは違う事実なのだ。

事実の受けとめ方、その意味は人それぞれである。

別々の道を歩き始めたとしたらそれも必然であり、それでいいと思っている。

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私としては、

その知人の様子に異変を感じ、心配になって声をかけたことがあるのだが、

その時、私の話はその知人の胸に届かなかった。

その知人は、私から攻撃されていると感じているように見えた。

少なくとも私はそう感じた。

私はその時も今も、

怒りの感情がまったくないとまでは言わないが、

怒っているかと聞かれたら、全然怒っていない。

私の中にあるのは、

その知人と私との間には距離があるという事実である。

これまで色々と心配もしてきたが、今は、それは私の役割ではないと思っている。

どんなにトボけても距離はあるのだ。

何事もなかったかのようにして顔を合わせるのは不自然である。

その知人は本当に何も無いと思っているのかもしれないが、

私はそうではない。

少なくとも今は、会いたくないと思っている。

私は怒っているのではない。

嫌っているのでもない。

その知人を私が不安定にさせてしまう可能性を考えると、会わない方がいいと思うのだ。

先日、その知人から電話がかかってきた。

私から声をかけるのは難しいが、

向こうからかかってくる分には大丈夫だろうと思い、電話に出た。

何気ないごく普通の話のやりとり。

互いに冷たいやり取りにはしないが、久しぶりに話したからといって、状況が変わったとは、私は思っていない。

その知人がどういうつもりか知らないが、

今のところの私は、

その知人と関係を続けることへの違和感が拭えないでいる。

またいつどのタイミングで、私の目の前でその知人が不安定になるかもわからない。

私としてはあんな思いは2度としたくない。

不愉快なのだ。

わざわざそんな危ないところに近寄ろうとは思わない。

このことに限らず、これからのことはわからない。

何一つとして決めつけることはしないが、

経験則的にも、違和感のあるところからは自然と離れていく可能性が高い。

見た目の距離が離れたとしても、

その相手へのリスペクトは変わらない。

少なからず縁があったのは事実であり、

だからこそ今の私がある。

その過去が無くなることはない。

だが、それとこれとは別の話だ。

私は無理はしない。

その知人にも無理はして欲しくない。

関係性には頓着しない。

私は私の道を行くし、

知人も同じだと思っている。

離れていてもいつも応援している。今までもこれからもその気持ちが変わることはない。