昨日4月29日は岩見沢の山奥、万字に行ってきた。

万字はかつて炭鉱で栄え、最盛期には人口が5,000人を超えたこともあるが、

1976年に炭鉱が閉山してからは急速に人口が減少し、現在は高齢過疎の深刻な限界集落となっている。

この万字地区に、

「ジン鍋アートミュージアム」というユニークな博物館がある。

4月29日は羊肉の日。

この羊肉の日に合わせて、毎年4月29日にジン鍋アートミュージアムがオープンしている。

館長の溝口先生。

溝口先生は数年前まで札幌市内の大学の教授を務められていた方で、

館長の実家の古い商店を改装した館内には、400枚を超えるジンギスカン鍋がズラリと並べられている。

見た目からして個性的な鍋も多く、

いつどこで作られ、どのように使われてきたかなど気になってくる。

オープン初日から新聞の取材などで慌ただしい中、溝口館長は色んな疑問や質問に詳しく丁寧に答えてくれる。

鍋のメンテに関連した質問をいくつかぶつけてみたのだが、

炭火だとあっという間に鍋の温度が400℃くらいまで上がるのだが、肉を焼くためにそこまでの熱さは要らないらしい。

260℃を超えるとどんな鍋でも焦げつきがキツくなるため、260℃以上にはならない自動で温度調整されるジンギスカン用のコンロもあるとのこと。

他にも、

ベル食品の開発した新しいジンギスカンのタレのことや、

館長が大学で教えていた時に学校の中で学生たちにジンギスカンを食べさせた時のことなど、

話に花が咲く。

例年であればオープンと同時にここでジンパが始まるのだが、

コロナのため2年連続で中止となっている。

ジン鍋アートミュージアムのジンパは、

全道各地から肉や野菜など様々な食材が持ち込まれ、博物館の鍋を使って様々なジンギスカンを楽しむ。

食べ終わった後には、

一枚一枚丁寧に焦げを落とし、きれいに洗い、油を塗り直す。

ここが大事なところ。

ジン鍋の一枚一枚にも歴史がある。

ここのジン鍋はただの飾り物ではない。

大切に飾られるだけでなく、

現役のジンギスカン鍋としての魂が宿っている。

ジンギスカンは北海道が全国に誇る食文化。

地域によって使う肉や焼き方、鍋の使い方も様々であり、非常に奥深い。

まだまだ学び足りない。 

私が自宅でジンギスカンをする時のために、ミュージアムの鍋を一枚貸してくれた。

スリット(切れ目)の入った鍋。

これで冷凍ラムのロールスライスを炭火で焼いてみたい。

感想を書いて館長に見てもらうつもりでいる。

ジン鍋に学びたいことがたくさんある。