初出勤の息子が帰宅した。

息子は今日から某NPO法人の一員として、

町教育委員会の企画する小中学生の自然体験プログラムに携わることになる。

スーツ出勤は今日限りで、明日からは作業服がメインになるとのこと。

ここ数日の息子は少し緊張しているようにも見えていたが、今はケロッとしている。

とてもリラックスしているように見える。

息子よりも私の方が緊張していたのかもしれない。

とにかく、28年前の私の初出勤とは大違いだ。

私の公務員生活は、最初から最後まで心身が強張ったままだった。

私の性格もあるのだろうが、私でなくとも緊張せざるを得ない環境だったと思ってやってきた。

公務員であるうちはこの緊張から解放されないと思い込んでいたが、

今の息子を見ていると、

私が勘違いしていただけかもしれないと、そんな風にも思えてくる。

28年前の私と息子が入れ替わっていたら、それぞれどんな人生を歩んでいただろう。

正直、息子に羨ましさを感じている。

どちらがいいとか悪いとかじゃないのだが、

純粋に興味が湧いてくる。

息子の歩みは始まったばかり。

これからどんな道を歩んでいくのかわからないが、

人間とは、運命、環境に左右されるものだとつくづく思う。

息子に伝えたいことがある。

常に組織の一員としての経営感覚を持ち続けることを忘れないで欲しい。

私の公務員生活を振り返ると、

巨大な組織の論理に反発を覚えることが多く、

組織経営の当事者としての視点が欠落している時間が長かった。

端的に言うと、

どこか投げやりになっていた。

斜に構えていて、酷い時にはバイトをしているのと同じような気持ちでいたこともあった。

そうした遠回りも悪いことばかりではないが、

ツケは必ず回ってくる。

これからの私は、

長年にわたり投げやりな気持ちで働いてきたことを乗り越えていかねばならない。

若いうちは「関係ない。」と思うかもしれないが、

どこにいても、

若いうちから組織経営をイメージする習慣を身につけておくべきだ。

何物にも左右されない、強いモチベーションはそこから湧いてくる。

強いモチベーションを持つ者だけが周囲からの信頼を獲得することになる。

くれぐれも仕事に向かう姿勢を大切にして欲しい。