ここまでの私は中途半端である。

私なりの歩みを刻んでいるので悪くないのだが、

どちらかと言うとまだ中途半端である。

道半ばであっても、

迷いなく打ち込めているなら中途半端にはならないものだが、

今の私はそこまでのめり込めてはいない。

中途半端なまま終わる可能性もある。

それはそれで悪いことではない。

そうしたことを受けとめていくことも大切なことだと思っている。

だが面白いことに、

こうして旅をしていても、

「打ち込みたい。」と思うことがあったりする。

もちろん旅は楽しいのだが、

特に人と会ったりしていると、

旅をしている場合ではないような気持ちになることがある。

何人かの人と会ったばかりの今は、その意味で少し疲れている。

気を紛らすようにして忙しくすることは簡単だが、

今の私は違うものを味わおうとしている。

掻き立てられるようにして動き回るのではなく、

無から、自分の奥の方から何が湧き出してくるか観察したいと思っている。

そう思いながら、

私は人目を気にしている。

そこら辺は既に覚悟ができているつもりでいたが、

これが私であり、

今回はそこを感じ取るための旅をしているのだと受けとめている。

楽しみにしていた今回の家族旅行も終わりが近づいている。

今、私は妻と2人で長女の部屋にいる。

息子は一足先に帰道し、

長女はさっき夜勤に出掛けた。

来月からは息子も社会人となる。

私は私で、公務員を早期退職してから間もなく1年になる。

じんわりと湧いてくるものが私の中にもある。

「今はこれでいい。」

なんとなくそんな感じがしている。