今朝の新聞に元首相5人が「脱原発」を宣言したとの記事が載っていた。

昨日、福島第一原発の事故から10年となったが、
このタイミングで日本政府に対して脱原発に向けた政策の転換を求めた形である。
当然と言えば当然だが、
一方でけっこうな違和感もある。
この5人それぞれの首相在任中における原発に対する考え方との落差があまりにも大き過ぎる。
この5人の元首相は、
福島第一の事故の前まではなんだかんだ言っても原発政策を容認していたのだから、
事故を契機にして考え方が変わったということなる。
だが、事故が起きるずっと前から、事故への懸念、廃棄物処理の問題などは指摘され続けてきたわけで、
そこをどう考えてきたのか、それぞれの話を聞いてみたくなる。
首相ともなれば、一般人には知らされない現実とも向き合い、重大な責任を担うわけだが、
事故が起きるその時まで、原発推進を容認してきたのは何故なのか。
一国民として、政治家として、首相として、どのような信念を持ってやってきたのか。
今は事故ばかりに目が向けられがちだが、
事故があろうがなかろうが、
原発があるうちは放射性廃棄物は増え続ける。
このことについてもどう考えてきたのか。
それぞれ、責任を持った態度で私たちに説明して欲しい。
そこに反省があるなら、
私たち国民も共有せねばならない。
5人の元首相の思いや反省は、現政権に引き継がれているのか。
あれだけの事故が起きたと言うのに、
政府はいまだに原発ゼロの決断をしていない。
大臣や首相になると人が変わるように見えるのは何故なのか。
小泉純一郎、菅直人、細川護熙、村山富一、鳩山由紀夫の各氏には、
今の政府に向かって脱原発を宣言すると言うのなら、
さらに踏み込んだ話をして欲しい。
今のままでは、目立ちたがり屋の空虚なパフォーマンスにしか映らない。
昨夜は地上波で映画「Fukushima50」を観た。

これを観た人でも感じ方や考え方は様々だと思うが、
何故こんな苦しい思いをしてまで原発に固執するのか。
現実に取り返しのつかないことが起きてしまっても、
大変な不安を抱えながら、なし崩し的にさらに続けようとする理由がわからない。
そんな気持ちでいる人が大勢いる。
これ以上は誤魔化しようがないのではないか。
こうした疑問にきちんと応えていくことが、これからの時代には必要なのではないか。