昨夜、高校時代からの友人とZOOMを繋いで少し飲んだ。

彼とは普段から連絡を取り合っているが、たまに声を聞きたくなる。

彼は洗濯物を干しながらジャックダニエルを取り出し、私はグラスに越乃寒梅を注ぐ。

最近の仕事のこと、高校時代のほかの連中のことなど、

思いつくまま、好き勝手な話に花が咲く。

彼とは根っこのところの考え方に重なり合うところがあると感じている。

もちろん多少の違いもあるにはあるのだが、お互いに信頼感と想像力がいい感じで働いているので、

だいたいのことなら安心して話すことができる。

いわゆる冗談が通じる相手。私にとって貴重な友人の一人である。

ふとした流れから、彼の娘さんが大学で色んなことに挑戦している話になった。

娘さんは元々生物への関心が高く、今取り組んでいる論文のテーマがこれまた独特だと言う。

どうやら、ダニについて調べているらしい。

ダニも生殖行為により繁殖しているが、

娘さんの話によると、ダニには繁殖を目的としない同様の行為が存在するらしい。

聞いた瞬間、笑ってしまった。着眼点がとても面白い。

種の繁栄とは何か、

考え始めたら、ほとんど無限に広がっていくテーマである。

長くなりすぎるので、ここではこれ以上深堀りしないが、

父と娘との間でこれまた面白いやり取りがあったようである。

30年くらい前と比べ、今は冗談を言える場所や相手が少なくなっている。

揚げ足を取られたり、衝突することを怖れるあまり、自由に発言できない社会。

すっかり白けてしまっている人も目立つが、

信頼と想像力があれば、双方向に会話は弾んでいく。

同時に、それぞれの思考は広がり、深まっていく。

過度にビクビクしたりしないで、みんなが自由に発言できる。

いすれそんな時代がやってくると思っている。