アイヌ語☆チセの周りにある祭壇、食料庫、熊檻など

今日は月に一度のアイヌ語勉強会に参加してきた。

今回のテーマは、アイヌ民族の住居チセ(チ=私たち、セ=寝床)の周りの施設や設備について。

◯ヌサ(祭壇)

祈りの儀式を行うため屋外に設置されている祭壇のことを「ヌサ」と言う。

ヌサは、チセのカムイプヤラ(カムイ=神、プヤラ=窓)と向き合うようにして設置されている。

カムイプヤラを挟んでヌサと囲炉裏(アペオイ)を結ぶラインはカムイ(神)の通り道とされ、

むやみやたらと横切ったり、ヌサに背を向けてカムイプヤラからチセの中を覗き込む行為などは非礼に当たると言われている。

また、祭壇を「ヌササン」と呼ぶこともあるが、

厳密にはヌササン(ヌサ=祭壇、サン=棚)はヌサを立て掛ける棚のことを指し、祭壇そのものを指す言葉は「ヌサ」であると思われる。

他にイナウチパ(イナウ=御幣、チパ=幣場)という呼び方もある。

◯へペレセッ(へペレ=子熊、セッ=寝床)

へペレセッは直訳すると「子熊の寝床」で、子熊を飼うための檻。

春が近づくと固くなった雪の上を歩いて冬眠中の熊を獲りに行く。

母熊は殺して肉や毛皮を取るが、

へペレ(赤ちゃん熊)は連れて帰ってきて、最初はチセの中で、少し大きくなるとへペレセッで家族同然に大切に育てられる。

そして、へペレが1〜2歳になると、

送りの儀式であるイオマンテ(イ=それ、オマン=行く、テ=〜させる)で、丁重に神の国へ送り返される。

◯プ(高床式の食料庫)

プはチセの近くに建てられ、肉や魚、団子を乾燥させたものなど食料を貯蔵していた。

高床式でネズミ返しのような仕掛けが施されるなど、ネズミや虫に食われないような工夫や湿気対策などが見られる。

ハシゴのことをニカラ(ニ=木、カラ=作る)と言うが、

プに取り付けられた取り外しのしやすいハシゴをプニカラ(プ=貯食料庫、ニ=木、カラ=作る)と呼ぶ。

◯シンプイ(シリ=大地、プイ=穴)

井戸のことをシンプイと言う。直訳すると「大地の穴」。

プイは自然に開いている穴を指し、人工的に作られた穴はプイとは言わない。

エトゥプイ(鼻の穴)、キサラプイ(耳の穴)、オソロプイ(肛門)など。

生活する上において水はもっとも大切であるが、

井戸を深く掘るようなことはあまりせず、最初から水が湧いている場所に住むことを基本としていた。

また、自然と湧き水の出るところを「メム」とも言う。平取や深川、大樹などにメムと言う地名がある。

◯クマ(干し竿)

クマはチセの南側に設置されることが多い。主に動物の毛皮や鮭などを干していた。

熊牛(弟子屈、十勝清水)、熊石(熊石)、熊碓(小樽)などの地名はクマウシ(クマ=干し竿、ウシ=たくさんある所)に由来している可能性が高い。

◯ル(便所)

便所のことを「ル」と言う。ルは元々は「道」のことを指す。

男子便所はオッカヨル(オッカイ=男、ル=便所)、女子便所をメノコル(メノコ=女、ル=便所)と言う。

ルカリウシ(ルカリ=用を足す、ウシ=場所)、アシンル(アシン=出る、ル=道)とも言うが、アシンルは男子便所を指すとの説もある。

便所に行くことをヤユテク(ヤイ=自分自身、ウテク=使う)と言ったりする。

3件のコメント

    • コメントありがとうございます。
      古い中にも普遍的なメッセージが込められていることも少なくありませんね。ベースには感謝と祈りの気持ち。しっかり受けとめて次世代に伝えるべきものは伝え残していきたいと思います。

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