昨夜から今朝にかけて、某医療機関で当直の仕事をしてきた。

この医療機関は夜勤当直を3人で回しているのだが、

そのうちの一人が体調不良で入院することになり、

シフトの穴を埋めるべく、私が当面の代役を務めることになった。

当直の役割は、

夜間緊急外来や救急の受入れ、来院者や電話への対応、設備管理などなど。

昨夜は電話が一本もなく、大きな緊張が走るような場面はなかったが、

たくさんの命を扱っている現場に入ると、今までとは違った重圧を感じる。

知ってるつもりのことでも、現場に立つとその瞬間から視界が変わる。

今は、新型コロナによる非常事態で医療機関や保健所が大変なことになっているが、

コロナがあろうがなかろうが、本質的にはどこも同じだと思う。

障害者や高齢者の施設、児童福祉などの現場も難しい状況に置かれている。

いくら予算を投入し人員を配置しても、社会の根本が変わらない限り事態は改善しない。

差別や偏見、貧困に起因する家庭環境の悪化など、

現代社会に蔓延っている病理は根深いものがある。

昨夜は図らずもそうしたことをあらためて考え直すこととなった。

何人もこうしたことから目を逸らすことはできない。

劇的に状況を好転させることはできないが、私もそこに向き合っていきたい。

こうした役割が巡ってきた縁に感謝したい。