平成元年一月八日の記憶

今日は1月8日。この日付を見ると、今から32年前の1月8日を思い出す。

当時私は19歳。浪人生としての大学受験を間近に控えていた。

親や周りから受験生には盆も正月もないなどと繰り返し言われ、少し不貞腐れていたのだが、

あの時は受験生に限らず日本中がひっそりと、極端に静かな年末年始を過ごしていた。

前年の昭和63年(1988年)9月、昭和天皇が倒れていた。

以降、新聞、テレビ、ラジオからも昭和天皇の容態の変化が逐一報道されるようになり、

それからは各地のイベントや結婚式までもが次々と延期や中止となった。

テレビ番組は作り直され、街から華やいだ雰囲気が消え、年賀状から賀正や寿の文字が消えた。

行き過ぎとも思える自粛ムードに違和感を覚えながらも、

受験生としての私は静かな雰囲気を利用して机に向かっていた。

華やかなものが周りにあれば、やはり誘惑に負けてしまう。

その意味で、静かな時間をありがたいものとして受けとめてもいた。

自粛ムードがすっかり当たり前になり、淡々と過ごしていた昭和64年1月7日、

昭和天皇崩御のニュースが飛び込んできた。

当時の私は、自分のことだけで頭がいっぱいだったが、

それなりに歴史の節目を感じてもいた。

翌1月8日、年号が「平成」に変わった。

一言で言うと、ずいぶんと軽い感じがした。

日本人が、たくさんのしがらみや呪縛から解放されていく。

そんな直感があり、私自身もなんとなく心が軽くなったような気がしていた。

あの日を境に、

のっぺりした毎日に流されていた私の中にも変化が起きていた。

「自分の思うようにやってみよう。」

生まれて初めてそう思った。

大学卒業後に公務員として働いてきた私はずいぶんと遠回りもしてきたが、

今まさに初心を思い出している。

コロナパンデミックを機に、

「自分の思うようにやってみよう。」

そう思っている。

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