元公務員のゆたかです。
今日は「公務員になる前に考えておくべきこと。」について。
1 これからの公務員を正しく理解する
公務員は地位と給与が安定しており、仕事が楽だと言われることも多い。
だが、これからの行政は今以上に人件費の確保が難しくなる。給与は上がらず退職金も減る。それだけでなく、人員そのものが削減されていく。一方で仕事の総量は増えていくので一人当たりの負担は増大していく。
業務の効率化は掛け声ばかりで、旧態以前の手法に縛られ無駄な作業に忙殺されている。
職員は組織の歯車の一部に過ぎず、誰がやっても行きつくところは同じであり意気込みが空回りすることが多い。モチベーションを保つのは簡単ではない。
2 公務員としての自身の適性をチェックする
行政組織も近年は効率が重視され、住民に寄り添って仕事をするタイプの職員は減ってきている。
大量の案件を高速で処理する能力がもてはやされ、面倒な話を持ち込むのは非効率的で仕事のできない職員とされる傾向にある。
困っている人がいてもあまり親身にならず、何事も割り切って機械的に処理するタイプなら気楽に働けるかもしれない。
3 向き不向きは状況によることを知る
私自身は長年にわたり住民目線に立って仕事をしてきたと思っている。
組織外の人から相談されることも少なくなかったが、しだいに組織内での居心地が悪くなっていた。
被災地や高齢過疎化の進む地域でのボランティア活動をしているだけで白い目で見られることもあった。
全ての部署が同じではないが、理解されないのなら、自分は向いていないのだろうと思うようになった。
4 公務員になる時も辞める時も自分で決める
公務員は給与が決まっていて、よほど悪いことをしない限りクビにならない。福利厚生が充実しており、社会的な信用が高いなどのメリットもある。
デメリットについてはだいたい上に書いたとおり。公務員の評価は一つではない。人により、その時の状況によっても大きく異なる。
長い人生の中で公務員を経験しておきたいと思うなら、やってみる価値はあると思う。
だが、組織では自由が利かないし、長年公務員として飼いならされてしまうと無意識のうちに自分の頭で考えることができなくなる可能性がある。
これからは退職後の人生の方が長い。組織の論理に左右されず、自分の頭で思考する力が求められることになると思っている。