布団から出て窓の外を見ると、一面真っ白。一晩で雪がどっさり積もっている。

予報では明日の朝までずっと降り続けるらしい。

北海道の冬は半年近くが雪に閉ざされる。

これを本州に比べて大きなハンディキャップと考える向きもあるが、

今朝の私は、

これが北海道の良さであると思っている。

冬の到来と同時に、札幌を中心に道内でもコロナ陽性者が急激に増えていて、

GoToから北海道が除外される可能性も囁かれ、観光や飲食業などはたしかに大変なのだが、

シンシンと降りしきる雪を見ていると、

雪が、コロナが、と何かのせいにしていちいち落胆したりジタバタするのがバカバカしく思えてくる。

昨夜はあちこちから連絡が入り、今月のイベントの多くが中止になった。

残念ではあるが、何だかホッとした気持ちでいる。

今の私の場合、忙しく動き回るのもいいのだが、

それ以上に知りたいこと、学びたいことがたくさんある。

じっくり考える時間が欲しいのだ。

実は私と同じように感じている人も少なくないのではないか。

この冬は、来春までに力を蓄える時間だと思っている。

雪のことをアイヌ語でウパシ(ウ=互いに、パシ=走る)と言う。

無数の雪たちが追いかけっこをするようにして空から舞い降りてくることに由来しているらしい。

今、私の目の前で、雪の粒たちが先を争うようにしてこの大地に降り積もっている。

なんだかみんな楽しそうに見える。

無数の喜びの粒が先を争うようにしてやってくるから、私も嬉しくなる。

喜びの粒は希望そのものであり、希望でいっぱいになると、少し眠くなってくる。

冷たいが不思議と温かい雪に囲まれ、動植物も安心して眠る。

北海道の動植物が冬眠するのにも、合理的な理由があるのだ。

実際、雪は様々なものを運んでくる。

雪が降るから豊かな北海道がある。

イヤイライケレ(ありがとう)。