林道が好きな私だが、10月9日を最後に山に入っていない。
10日から22日まで本州に旅行に出ていたためだが、
何故か9日にDRと山に入った時のことがずっと頭に残っている。
あの時はちょっと危険だった。日陰の多い道なき道を、勢いだけで山の奥へ奥へと突き進んで行った。
下りの濡れたダートはバイクをコントロールしずらいため、後戻りするのではなく意地になって登っていった。
不思議と枝道のない、逃げ道の選べないルートにはまり込み、意地になって突き進んでいた。
晴れていたが、10月にもなると日陰は地面が乾かず水溜りも多い。
不思議なことに登れば登るほど、標高が高くなればなるほど、水溜りが増え、泥濘が酷くなっていく。
日が傾き始め、気温も下がり始めると危険が増してくる。
鹿だけでなく、熊の足跡も目に入っていた。
位置は把握しているので、一気に向こう側へ突き抜けるつもりでいたが、不思議と行きたい方向を選べない。
見た目は普通の泥濘でもDRが泥に深く沈み込むポイントが増えてきた。
何度か深い泥沼から抜け出したが、明るいうちに向こう側へ抜ける確証を得られず、やむなく引き返した。
あそこで引き返した判断は間違えていなかったと思う。
しかし、戻りの下り道はかなり厳しかった。
泥濘んだ下りはバイクのコントロールができない。対応を誤ると崖下に落ちてしまう。
そうならないよう、早めにバイクを倒す覚悟と技術が要る。
一度だけ、どうしようもなくなって右にDRを倒した。右ミラーが割れた。
終始緊張のしっぱなしだったがDRを倒したのはこの時だけで済み、日のあるうちに無事に山を抜け出してきた。
何故かこの時のことが頭から離れない。
今、夜中に目が覚めてこのブログを書いているが、
夢の中でも、たしかに私はあの山の中にいた。
最後には引き返したが、おそらく私は相当な無茶をしながら登っていったのだ。
そのことをどう考えるか。
この問いを突きつけられているような気がしている。
正直、恐怖心はないがすっきりしないところがある。
何かの戒めなのだろうか。
ここのところずっと考えごとをしていて、どこか気分が晴れない。
仕事に集中できていない。
いくら自由でも順調なことばかりではない。
こんなこともある。
そう言えば、DRは沈黙している。
DRの声も聴いてみたい。
焦らずに乗り越えていきたい。