浦河のパセオンカムイカムイノミ

今日は浦河町で行われたパセオンカムイカムイノミに参加してきた。

私は屈斜路古丹アイヌ文化保存会の一員としての招待参加である。

10月は道内の多くの地域でイチャルパ(先祖供養)が行われているが、

浦河のイチャルパでは、先祖供養だけでなく秋の収穫感謝の祈りを兼ねており、

「パセオンカムイ カムイノミ」(パセオンカムイ=位の高い神への祈り、カムイ=神、ノミ=祈り)と言う。

私は「パセオンカムイ」という言葉を聞いたことがなかったため、最初は意味がよくわからなかったのだが、

儀式の途中で、浦河ではオンカミのことをオンカムイと言っていることに気がついた。

私は元々オンカミはオンカムイではないかと思っていたので違和感はない。

パセオンカムイ=パセオンカミ(位の高い神への祈り)と考えれば合点がいく。

日々の恵みに感謝することはアイヌ民族の日常ではあるが、

先祖供養を行うと同時に、あらためて13の神々に収穫感謝の気持ちも込めて祈るのだ。

イチャルパを行う前には、ホシキノミ(ホシキ=先に、ノミ=祈り)を行う。

ホシキノミは、アペフチカムイ(アペ=火、フチ=おばあさん、カムイ=神)を通して、これから先祖供養と収穫感謝祭をすることを神々に事前報告し、無事に儀式が終わるよう見守っていてくださいとお祈りすることが目的である。

イチャルパとは、「それ(イ)をばら撒く(チャルパ)」と言う意味で、主に女性が中心となり進められる。

イナウを捧げ、先祖の名前を呼び話しかけながら酒や食べ物をヌサ(祭壇)にばら撒く。

面白いのは、

酒や食べ物をヌサにばら撒くのと同時に、同じものを自分たちも食べるのだ。

こうして、先祖への供養と感謝の祈りを酒や食べ物とともに送り届ける。

イチャルパした後は、さらに先祖やカムイへの祈りの気持ちを込め、参加者全員でポロリムセ(輪踊り)を行う。

ポロリムセの後には料理の試食会が行われた。

料理試食会も収穫感謝の一部である。

浦河の豊かな恵みを生かした料理が次々と振る舞われる。

私が特に印象に残ったのは、アイヌ民族の料理としては一般的なラタシケプ(混ぜ煮料理)。

浦河のラタシケプには魚脂や獣脂が多く使われており、独特の風味があった。

コンプシト(昆布だれ団子)も定番のアイヌ料理であるが、名産の日高昆布をふんだんに使った昆布だれは一味違った。

カムイチェプチタタプ(カムイチェプ=鮭、チタタプ=たたき)をいただいたのも初めてだったし、

他にもヤマウ(ヤム=冷たい、オハウ=汁物)、ハラエ(団子の煮汁)など、汁物にも浦河の特色が出ていた。

イチャルパと収穫感謝祭を終えた後、オセッテクアシノミ(納めの祈り)が行われた。

オセッテクアシノミは、やはりアペフチを通し、無事に先祖供養と収穫感謝の祈りを捧げることができたことへの感謝の言葉を神々に捧げるものである。

カムイノミの手法などは地域によって様々だが、底流する基本精神はどこも同じである。

大自然と共生し、循環を常に意識した持続可能な生き方。

当たり前のことだが、浦河には浦河の自然との関わりがある。

あらためて学びの一日となった。

今日も一日楽しく、無事に過ごせたことに感謝している。

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