私は今、少しだけ株式投資をしている。

世界経済の6割を占める米国市場と、縮小が囁かれる日本市場に、薄く広く資金を散りばめている。

投資総額は本当に微々たるものだが、様々な情報をキャッチするアンテナとしてよく働いてくれている。

株式投資と言えば、

かつては多額の資金が必要で、自分には縁がないものだと思っていたが、今は違う。

少額から投資できるし、誰にとっても投資が身近なものになっている。

私の投資は基本的にはバイアンドホールド。

長期保有のつもりで購入した株が多く、短期的な値動きにはあまり頓着していないが、

ウォッチしているだけでなく、多少の売買を経験することによって感じ取れることもある。

想像以上の値がついたため利益確定した株もいくつかあるが、そういう株に限って売却後にさらに上がっていたりする。

また、配当金や株主優待に期待して買ってはみたが、コロナショックで業績が傾き、減配や優待廃止となった銘柄もあるし、

二番底を予測して購入した日経ダブルインバースが2ヶ月以上も置いてけぼりを食らっていたり、含み損を出している銘柄も複数抱えている。

そんなこんなで、現時点の勝ち負けで言えば微妙なところもあるのだが、

私としては大成功だと思っている。

冒頭に書いたように、世界経済のアンテナとしての役割を果たしているだけでなく、これまでに様々な経験を重ねることができている。

私の投資は、短期的な売買を繰り返して利益を上げることを主目的としていない。

できるだけ薄く広く、細く長く続けることによって、情報を集め、自分なりに解析しながら、徐々に自分の資産を適正に配置していくためにやっている。

アフターコロナの社会において、今後必要とされる業種業態はどのようなもので、そのために今どのような投資行動が求められているのか。

そうした観点から市場の動向を眺めている。

やってみて思うのだが、米国と日本の市場には明らかな違いを感じている。

米国では人口が増えており市場そのものの拡大が見込まれる一方、

日本では少子化が進み、生産年齢人口の減少や高齢化による消費行動の変化により市場規模の縮小が懸念される。

資産の運用という側面から考えた時、今後は日本市場よりも、米国市場に投資した方がよいのかもしれない。

ただ、私たちが考えるべきはそれだけではない。

日本市場のあるべき姿をイメージし、少しでもそこに近づけていく工夫が必要だと思っている。

私たちが住んでいるのは日本である。

日本国内の経済活動が将来的にも健全なものでなければ、いくら資産を保有していても安心して暮らすことはできない。

最近の経済ニュースや様々な記事を見ていても、そこの視点が欠落しているような気がしていて、危惧している。

こうした中、

アップルの伸びが凄い。

時価総額は2兆ドルを突破し、たった3ヶ月で株価が50%以上も上がっている。

情報関連銘柄はコロナショックがむしろプラスに作用し、今のところGAFAMを中心に業績と株価を伸ばしている。

アップルの場合は、今月末に高騰した株式の分割が行われることが発表されており、それが高騰の要因の一つになっているようである。

こうした動きにつられるようにして、多くの投資家が市場に参入しているようだが、どうなるだろうか。

緊張が高まっている米中関係、大統領選も間近に迫っている。

様々な未来予測が交錯しているが、私は当てっこばかりしていても仕方がないと思っている。

一か八かの大勝負に出ようとも思わない。

想像しうるあらゆるリスクに配慮し、資産を適正に配置していくことだけ考えている。

目まぐるしく変わる時代の荒波の中、転覆したり沈まないよう、五感六感を働かせながら自身の判断で舵を切っていく。

なかなか思い通りにはいかないだろうが、こうしたことが楽しみである。