重慶火鍋

以前に友人からもらっていた中国のお土産で、しばらく置きっぱなしにしているものがあった。

「火鍋底料」、「重慶風味」など、刺激的な文字が目に飛び込んでくる。

中国語はあまりわからないが、とにかく辛いものだと言うことがわかる。

裏面の食用方法欄には、「在鍋中加入2500克水、将底料倒入鍋中、煮沸后即可食各類菜品」などと書かれている。

水2500ccで溶かすのか?この塊の大きさなら妥当だがかなりの量になる。どんな食材を入れるにしても一人では食べ切れない。

せっかく調理しても辛すぎて食べることができないかもしれない。

いったいどんな味でどれくらい辛いのだろう。私は辛いものが好物なので、どんなに辛くても食べると思うが、家族は食べるだろうか。

においが強かったりおなかがびっくりしてしまう可能性を考えると、翌日に人と会う予定がある日はやめておいた方がよさそうである。

そんなこんなであえて目につく場所に置きながらも、なんとなくそのままになっていたのだが、

昨日は金曜日で翌日の予定も特に決まっていないので、思い切って夕食に使ってみることにした。

と言っても、どんな味なのかわからない。家族が食べれそうなのか見当をつけてからでないと調理のしようもない。

肉や豆腐、野菜などをある程度用意した上で、いつもより2時間早く台所に立った。

まずは水に溶いて自分の舌で味を確かめる。全てはそれからだ。

冬にしか使ったことのない大鍋に大量の水を入れ、火鍋底料を崩し入れながら熱していく。

鍋の中はみるみる赤黒くなり、強い香りが家中に立ち込める。

小皿に掬って少し口に含んでみると、期待どおりの強烈な辛さ。だが暴力的ではない。むしろ上品で紳士的な優しさを感じる旨辛さ。こんなのは初めてで、すぐに気に入った。

私以外の家族はたくさん食べるのは難しいかもしれないが、一口勧めることはできそうだ。

なんだかテンションが上がってきた。

まず、鶏もも肉を少しとサイコロ状に切った豆腐を入れ、グツグツ煮込んでみる。

うん、旨い。

リモート授業を終えた息子が強いにおい誘われるようにしてに近づいてきたので味見をさせる。

旨いことは旨いが、やはり辛過ぎてほとんど食べれないと言う。

おそらく妻も息子と同じだろう。

私は一人でも戦う覚悟を決め、鶏肉、白菜、ネギに続けて鍋用のラーメン2人前を投入した。

少しずつしか口に入れることができないので食べるのが遅いが、やはり旨い。

とても旨いが、とんでもなく辛い。

全身から綺麗な汗が噴き出す。凝り固まっていた筋肉がほぐれ、まるで中学生の頃のように体が軽く滑らかに動く。

涙腺も活発になり、スマホやパソコンでカサカサに乾いていた51歳の男の目にも数十年ぶりの潤いが戻ってきた。

いい感じである。

妻と息子にはホタテ耳のバター炒めと餡かけカニ玉子を作り、

私は2時間くらいかけて重慶風火鍋ラーメンをたっぷりいただいた。

ビールにもよく合う。暑い夏の夜にピッタリだ。

うちは私しか食べられないので今回の3分の1くらいの量がちょうどいいかも。

三国志の好きな私はこっそりと中国旅行を目論んでいたのだが、コロナで遠のいてしまっている。

何年かして旅行ができるようになったら成都や重慶にも行くつもり。本場の四川料理を楽しみにしている。

4件のコメント

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