コロナ巣籠もり以降、うちは支出が減った。

交通費や交際費、外出する機会そのものが激減した。

スーパーで安い食材を買い、自宅で調理して食べるのが日常になった。

周りを見ても家族との絆を深めたり趣味や自己啓発に没頭する人が増えている。

忙しく働いていた時よりも今の方が充実していると感じている人も少なくない。

コロナが流行り始めた頃は、とにかく収入減の不安が大きかったと思う。

だが巣籠もり期間を振り返ってみると、一般に収入減以上に出費が減っているようにも見える。

もちろん、コロナによる影響は様々だが、当面の家計収支はなんとか保っているケースが多いのではないか。

この雰囲気、私は好きである。

とりあえず生活できている。そして今までよりも自由な時間がある。

一人一人の心にゆとりが生まれてきている気がするのだ。

そもそも今はコロナ前のように稼ごうとしても稼げない。

私もコロナで予定がガラッと変わってしまったが、むしろ良かったと思っている。

この流れで自然な支出管理をしていけば、それだけでそこそこやっていけそうな気もしている。

ジタバタしても仕方ない。この際、自分の時間を大切にしたい。

好きなことに向き合いながら、この先どう生きていくか、期限を定めずにじっくり考えていくつもりだ。

「ガツガツ働くよりも、マイペースでゆとりを持ちながら人生をまっとうしたい。」

私の他にもそんな風に考える人が増えている。

この流れで社会全体から無駄な動きや緊張感が取り除かれていけば、自然と見えてくるものがありそうである。

北海道の観光や飲食も壊滅的なダメージを受けている。

私も痛恨の思いでいる。

しかし、現実を受けとめ前を向いて歩くしかない。

いずれ産業や雇用の流動化が進むことになる。

少子高齢化の進むこの国では、国内市場の縮小は避けられない。

無駄なものは削ぎ落とされ、

そこに見合った生活や経済活動が再設定されることになる。

変化のさなかでは痛みを感じるものだが、痛みをごまかしたりせず前向きにとらえていきたい。

金に縛られ、自由のなかった頃よりずっといいと思っている。