6/29のNYダウ平均は前日の大幅下落から反発して580ドル高で引けた。
よくて横ばいだと思っていたので少し意外に感じていたら、ボーイングが爆上げしていた。
この日のボーイング株はなんと14%上昇し、それだけでダウ平均を160ドルも押し上げたという。
新型旅客機737の試験飛行が行われることになったというニュースを聞いてはいたが、これくらいのことでここまで株価が上がり、ダウ平均を押し上げてしまうとは。
市場には、まだ経済回復への過剰とも言える期待が充満している。
ボーイングの飛行試験はまだ始まったばかり。試験の結果が出るまで相当な時間が必要であり、運航再開できるとしても数ヶ月以上先になる。
ノルウェーの航空会社がボーイング製航空機97機の注文を取り消したというニュースも飛び込んできた。
どう考えてもボーイングの経営は楽観できない。一日で14%も株価が上がるような状況ではない。
ダウにつられるようにして6/30の東京市場も上げているが、どこかで現実を直視することになる。
過剰な期待は、ちょっとしたことで、過剰な失望に変わる可能性がある。
変化はどのようなものでも受け入れるしかないが、できるだけ緩やかな変化であって欲しい。
現代は変化の速度が速すぎる。幻想や思い込みによる極端な思考のブレ、過激な行動も目立つ。
米中関係だけでなく、ここにきて朝鮮半島やインドと中国の国境などでも不穏な空気が流れている。
世界は今、大きな変化のうねりの中にある。
感染者数が大幅に増え続けている国と比べたら、日本はまだマシかもしれない。
デモや暴動の頻繁している地域と比べたら、日本は見た目の治安が保たれているかもしれない。
だが今、世界で起きている大きなうねりは、我々日本人にとってもけして他人事ではない。
変化を拒むことはできない。
変化を受け入れ、対応していくしかない。
冷静に賢く、徐々にギヤを切り換えていきたい。