「仕事辞めて何してんの?」
公務員を退職してから、不思議そうな顔でこう言われることがある。
いちいち説明するのは正直面倒くさい。そういうことを言う人には伝わらないことが多いし。
「私には家族がいる。家族の生活を守り、家族や隣人とともにより心豊かに生きていきたい。そのために仕事を辞めた。」
などと言っても、分からない人には全然わからないと思う。
時代が変われば家族の生活を守る手段も変わる。
今は20年前とは違う。同じだと思い込みたくても違うものは違う。
今回の退職は、私なりに変化を感じ取り、将来を見据えて自分自身で生き方を選択したという、至極シンプルな話にすぎない。
「生活費はどうすんの?」とも言われるが、経済的にもこれ以上の公務員継続はリスキーであると私は感じてきた。
これからは官も民も給料が保障されているわけではない。人件費は確実に減っていく方向にある。
これからは所属組織に依存するのではなく、自分で工夫して生活を守っていかねばならないが、
現状では公務員には副業が禁じられている。
退職してから何かを始めるようでは遅すぎる。それでは家族を守れないと、私はそう考えている。
また、自分自身の在り方についてもあらためて見つめ直す必要があると感じていた。
組織に属している間は思考も行動も非常に狭いところに押し込めて生きてきた。
窮屈で苦しかった。苦しかったが、それはそれで必要なことであったし、社会や組織が悪いとはまったく思っていない。
だが50歳を過ぎ、これから自分がどうあるべきかを考えた時、
組織から離れて自分の責任において思考し行動していくべき時期が来たのだと、そう思った。
だから、説明が難しいし積極的に説明する気にもならないが、日々自分自身を見つめながら、家族の生活を守るために様々なことに取り組んでいる。
退職したばかりだし胸を張って「これやってます!大丈夫です!」などと言えるようなものなどない。
だが、個人的には楽しみながら様々なことに向き合い、積み重ねることができている。
好きなことをして生きていけるなら、みんなそうすべきだと思う。
好きなこととは、自分勝手で無責任に食い散らかして歩くことなどではない。
この体と時間を授かった奇跡と、私を包み込んでいる無数の魂に感謝し、そこに背くことなく、悔いなく自分自身の人生を全うすることだと思っている。
だから仕事を辞めてどうするのかと言われれば、「自分に忠実に生きていく。」ただそれだけである。
全く同感です。
yuubishyouten/ゆうび商店さん、読んでくださりありがとうございます。行政機関が機能する社会にしたいものです。元公務員として建設的な意見を出していきたいと思っています。