今日の日経は朝からおとなしく、「そろそろ下げが始まるか?」なんて思ったりもしたが、後場に入った瞬間にまたしても跳ね上がった。

実体経済は最悪なのに株価はずっと上がり続け、すでにほぼ全戻し。さらに上にいきそうな勢いに映る。

経済活動が再開されるとか、ワクチンや新薬の開発がどうのこうのとか、新たに政府の経済対策が打ち出されるとか、色々と上げの材料が取り沙汰されている。

びっくりなのは、

相変わらずかなりの数の新規感染者が出ているが、思っていたほどには増えていないとか、

もの凄い数の失業者が出続けているが、予想よりは少なかったとか、

そんなことまでが好感され、株価上昇の材料になっていることである。

しかし、経済活動が再開したところですぐに元通りになるわけではない。

新薬が開発されたとしても一般に普及されるのはかなり先の話だし、

どんな経済対策で株価の下支えをしたところで、以前と同じように飛行機が飛んだり、観光や物流が活性化するわけではない。

米国では黒人差別の問題で大規模な暴動が頻発しており、米中関係も予断を許さない。

こんな中、いくら株価が上がったとしても、それで企業業績が改善するわけではない。

実際、多くの企業で今後の見通しが立っていないし、雇用そのものが不安定なままである。

つまり今の市場は、

悪い話は全て折り込み済みとしており、些細なことでもポジティブな材料として受けとめ、明らかに過剰に写る期待感に押し上げられるようにして株価が上がり続けている。

実体経済との乖離があまりに大きく、テクニカル的にもピーク感が非常に強い。

今のこの市場を「コロナバブル」と呼ぶ人も出てきている。

私は、これから大きな下げ局面があるのではないかと思っている。

5月中旬くらいまでは長期保有目的で米国ETFと日本の個別銘柄をいくつか買ってきた。

さらに二番底を警戒し、1357日経ダブルインバースを少しずつ積み増してきた。

流石に最近の値動きにはついていくことができず、1357の含み損が膨らんできている。

結果的にこのまま上がり続けるかもしれないが、下げへの備えは必要なので、1357を持ち続けることに迷いはない。

この局面で1357を損切りして買いを入れるとか、そういうトレードをするつもりはない。

1357は最終的に±0で捌ければ御の字。塩漬けになるかもしれないが今回はそれでもいいと思っている。

バブリーな相場に釣らそうになるが、ここは投資総額を増やさない。

竜巻上昇トレンドについていくのではなく、次の底値を見てから買い増しのチャンスを探っていきたい。

市場を体感するために参加しているのであって、株で勝負しているのではない。

今はバブルな市場を眺めていたい。眺めていれば、アフターコロナのイメージが見えてくるような気がしている。