緊急事態宣言が継続している東京、埼玉、神奈川、千葉、北海道について、感染者数などで改善傾向が確認できれば、近々宣言を解除するとの政府方針が伝えられている。

まだ気の早い話かも知れないが、ここのところずっと、これから北海道で何をするか考えている。

これからの時代は、必ずしも何かをしなければいけないということではない。

むしろ、無駄な動きは控えるべきだ。

今までは、

自分たちが頑張ってることを周囲にアピールしないと落ちこぼれにされかねないという、かなりおかしな空気に支配されていたと思う。

例えば、

どこかでゆるキャラを作って少しウケれば、全国一斉に大量のゆるキャラが湧いてくる。

誰も見向きもしないことが最初から明白な、お粗末なゆるキャラもたくさんあった。

こうしたもの(ゆるキャラなど)は、本来は自然発生的に生まれてくるものだと思う。

それが、面白い材料があろうがなかろうが「とにかくゆるキャラを作ること」からスタートしているのだから、つまらないのは当たり前だ。

こんなプロジェクトに血眼になって心血を注ぐことの虚しさったらない。

学校の部活にしても、

たいして目立たなくてそれほどやる気のない部なら、他の部に引きづられるようにして毎日遅くまで活動しなくてもよいではないか。

それを、

「私たちも毎日努力してます!明るく元気に頑張ってます!」などと、わざわざ周りに向かって声高にアピールする必要があるだろうか。

野球部も卓球部もブラバン部も落研も茶道部も、みんな同じようなテンションでアピール顔をしている。

そんなことはしなくていいから、それぞれの本来の活動、世界に浸っていればよいではないかと、思ってしまう。

例を挙げればキリがない。

要するに何でもかんでも外にアピールしないといけない空気って何なんだと思っている。

今までは、役所も民間も学校も、フリーランスや幼稚園までが常にアピールし続けることを強いられるような空気に支配されていたと思うが、

今回のパンデミックは、そうしたつまらない呪縛から抜け出すチャンスだと思っている。

コロナ前の北海道は、観光を大きな柱として考えていた。

だが、これから経済活動が再開されても観光客はすぐには戻らない。特に観光、飲食、宿泊業のダメージはあまりにも大きく、

全体として、新しい姿をイメージし直すことから始めないといけない。

ここで、従来の貧困な発想をそのまま持ち込み、

「私たち、とにかく頑張る!頑張ってます!」

みたいなことは絶対にやるべきではない。

それでは、やればやるほど虚しさが広がるだけだ。

たしかに今の北海道は難しい局面にあると思うが、

逆に、大きなチャンスであるとも言える。

まず、効果が上がらないと思うことは絶対にやらないこと。

何も浮かんでこないなら、何もしないでいいではないか。

何か浮かんできたら、やればいい。それまでのんびりしたらいい。

今までは、

常に張りつめた気持ちで次は何をしよう、その次はどうしよう、こうしようと、いつも追いまくられてばかりでいた。

それでは楽しくないし、なんとなくいつも疲れていて、いいアイデアも浮かんでこなくなる。

何もしないというのも、ひとつのやり方なのだ。それでいいではないか。

あるがままをありがたく受け入れ、そこに価値があることを自然と認めることから始めたい。

今の北海道は、そうした価値観を広げていく大きなチャンスだと思う。

これは縄文以来の精神を引き継いできた北海道だからこそ、持てる感覚だとも言える。

道民自身が北海道のあるがままの価値を再確認し、他の地域とは違う空気を膨らませていけば、

今は想像もつかないところにも、多くの可能性が生まれてくると思っている。

私自身は、これからの北海道もやはり観光だと思っている。

北海道に眠ったままの魅力、潜在能力等々考えると、今までとは違った形での観光需要が生まれてくるはずだ。

私は昨年、北海道観光マスターの称号を得た。

私はここで、北海道に関心を持っている人を待ち続ける。ジタバタするつもりはない。新しい自然な出会いがあると思っている。

北海道でしか味わえないことがあるから、

それを一緒に感じることかできたら、こんな嬉しいことはないと思っている。