私は9年前からSNSを使っているが、公務員在職中は非常にやりずらかった。
もちろん、公務員だからと言ってSNSを禁止されていたわけではない。
だが、職員研修などでSNS絡みの問題事例等が繰り返し取り上げられ、事実上、発信しずらい空気が作られていた。
要するに、
「組織に属している以上、個人的な意見を表明してくれるな。」
と言うことである。
公務員に課せられている「公務専念義務」や「守秘義務」に絡め、ジワジワと圧力をかけてくるのだ。
その論法は、根本からズレてしまっている。


中学生でも知っていることだが、日本国憲法第19条で全ての国民の思想と良心の自由、第21条で表現の自由が保障されている。
さらに、

日本国憲法第99条で、公務員には憲法を尊重し擁護する義務が課せられており、
この精神に基づけば、公務員は率先して自身の意見を表明すべきと考えられる。
憲法に定められている国民としての大切な権利を、公務員自ら放棄するようなことがあってはならない。
思っていることを言わないのは、社会人としての責任を放棄することに他ならならず、憲法の基本精神にも反する、誤った姿勢であると私は思う。
だが行政組織は世間から叩かれることを避けるばかりで、憲法に定められている個人の権利など眼中にない。
SNSを禁止することはできないので、研修の機会などを利用して、なんとなくSNSを使いずらい雰囲気を作るのである。
だが、いい大人が頼みもしないのにSNSの使い方を職場から指導される筋合はない。
何か面倒が起きたとしても、それはSNSユーザーの個人としての責任において処理されるべきものであり、雇用主にはなんの関係もないはずだ。
SNSを上手く使えば、時間的に余裕のない公務員でも地域社会に参加することが可能になる。
だからこそSNSを始めた公務員も大勢いたのだが、その多くは組織の作り出す理不尽な圧力の前に消えてしまった。
私は比較的自由に発信してきたが、別に組織を敵視したり、理不尽なことと対決してきたわけではない。
私は、公務員だろうがなかろうが、普段から思っていることを言わないでいると、世の中がどんどん窮屈になると思っているので、
そうならないように、息苦しい社会の中でストレッチをする感覚で発信を続けている。
今の私は公務員を退職しているので、より自由に思考し、行動することができる。
在職中は色々と苦労したが、そのことを恨む気持ちは毛頭ない。
公務員として重ねてきた様々な経験は、今とこれからの人生に役立てるためにあると思っている。
こうした話ばかりをするつもりはないが、折に触れて行政の在り方について、建設的な意見を発信していこうと思っている。