ここのところずっと、日経平均の膠着状態が続いている。
19,000円のサポートから20,000円レジスタンスを行ったり来たり。
本来であれば、今の半分の10,000円くらいが適価と思うが、なかなか下がらないでいる。
だが、今の株価の動きが予想外というわけではない。
安倍政権の命は株価。株価のためならなんでもやってきたし、たぶんこれからもやるつもりだろう。
要するに、日銀が札を刷りまくればいいと思っている。
そして、国民もこの政府のやり方にすっかり慣れてしまっている。
新型コロナが蔓延して、感染者、死者が増え続けて、医療崩壊が懸念されていても、
経済活動が滞り、企業が倒産し、失業者が増えても、
とにかく、札を刷るだけだと思っている。
そう思い込むことによって、今のところ、当面の株価は維持されている。
だが、厳しい現状を直視せずに楽観し、わずかなプラス材料を過大評価しているだけであって、
今の株価は、実態経済を反映したものではない。
今の日経平均についてたくさんの指摘があるが、私の目にも、今の市場は砂上の楼閣に映る。
しかし、いずれは新型コロナ以降の企業業績が見えてくる。
そして、停滞が長期にわたり固定化してくるとなれば、さすがにごまかしがきかなくなってくるのではないか。
楽観したくてもできなくなった時、総悲観の投げ売りが始まる可能性が非常に高い。
今まで不自然に吊り上げてきた高値圏から一気に売られ始めると、
ものすごい速さで、かつてない規模の暴落につながる可能性がある。
速度はともかく、いずれは今の半分より下になるのではないか。
トランプは、選挙まで株価のためにありとあらゆる手を打つだろう。
安倍は、おそらく自身の歴史的な評価のことしか考えていないはずだ。
アベノミクスは大成功したのであって、株価を下げたのは未曾有のパンデミックのせいだということにしたいのだろう。
トランプは、早くも経済活動の再開に前のめりになっているので、当面の米国市場は上昇していくことが予想され、
安倍の目論見としては、当面の米国市場の動きに便乗し、日経平均の下落を先送りしたいのだと思う。
だが、米国も日本も実態経済のダメージは甚大であり、いずれは下がるしかない。
私は、
向こう一年のうちにNYダウが今の半分程度になり、上昇トレンドが見えてきたら、
全世界インデックスにまとまった投資を考えている。
パンデミック後の、新しい価値観に基づき再編成された世界の市場に、期待を込めて長期投資するのだ。
それまでの間は、
世界的に市場全体の低迷が続くと思うので、感覚を養う目的で短期的な投機を仕掛けてみる。
急落後のリバウンドを狙うとか、新興、特需産業の個別銘柄とか。
パンデミック後の世界を見通していくために、アンテナを巡らしておきたい。
風が吹けば桶屋が儲かる。
地図が大きく変わるのは間違いないので、その動き、流れを感じていたい。
楽しみながら、好きな未来に投資していきたい。
今は、砂上の楼閣。この曲が頭に浮かんできた。
思い出が綺麗な形で残るのは、今とこれからに希望があるからだと思う。