公務員と言えば、安定した地位と給与が確保されているとされ、人気の職業の一つとされてきたが、
時代は大きく動いてきている。これからの行政組織、公務員はどうなっていくだろう。
近年は、民間だけでなく公務員も安泰ではないと言われ始めている。
何故そう言われているのか。
- AIの進出により、将来大規模なリストラが予想される。
- 財政難のため、給料、退職金が減る。
- 在職中に副業することができないため、退職後に自立した生活をしていくためのスキルが身につかない。
行政機関に課せられる役割は年々増していると思われるが、職員数は減り続けており、一人当たりの負担は膨らむ一方である。
その中でAIの導入が進めば、さらに職員は減少する。
AIにより職員の負担が軽減されればいいのだが、行政組織としての最終的な責任をAIに負わせることはできないだろう。
単純作業はAIに任せることができても、少ない職員にのし掛かる社会的重圧が軽減されるようになるとは考えずらい。
今は、優秀でやる気のある職員から順番に強いストレスに晒され、メンタルのバランスを崩してしまうケースが目立つ。
こうした過酷な条件の中で倒れずに奮闘し続けても、財政難により給料も退職金も下がり続ける。
また、公務員としてのキャリアが退職後になかなか生かせないというのも苦しい。
こうした不安を感じながら、公務員として働き続けるのは簡単なことではない。
ある意味、思考を停止させロボットのごとく働く。それが公務員として生き延びていくための必須条件になりつつある。
行政の現場でも業務の効率化が何より優先されるようになっている。
個別の問題に一つ一つ丁寧に対応していくだけのマンパワー、余力が今の行政組織にはないし、職員個人としても何かを抱え込むような仕事のやり方では身も心も持たない。
押し寄せてくる大量の案件を、冷酷なマシンのように高速処理することを至上とするマインドでないと、生き残るのは難しくなっている。
実際、親身になって住民対応するタイプの職員は激減している。
今は激しい変化の最中にあると思われるが、これからの行政組織はどうなっていくのだろうか。
公務員はどのような環境におかれ、どのような役割を担うことになるのだろうか。
私自身は、住民に近い目線で仕事をするタイプであると自負して27年やってきた。
近年の組織のあり方に馴染むことができず、これ以上そこで働き続けることに限界を感じ、早期退職の道を選んだ。
今後は組織の外側から様々な考察を重ね、地方自治はどうあるべきなのか、また、地域社会と行政組織はどのような形で役割を分担していくべきなのかを問い続けていきたいと考えている。
公務員を取り囲む環境はこれからも厳しさを増していくことが予想され、職員の健康と生活を守る視点が必要である。
官と民が理解しあい、その上で協力しあうことが大切である。
価値観やシステムの変化を柔軟に受け入れつつ、新しい地域社会のあり方を模索していきたい。