世界的に株価が下がり始めてから一週間ほどが経った。

まだ下がるのか、どこで下げ止まるのか。どれくらいの確率でどこまで反発し、その後はどうなるのか。

テクニカル的な予想は可能だが、実際どうなるかは誰にもわからない。

すでに記録的な速度で大幅な下落が進行しており、

ブラックマンデーやリーマンショックと比較されることもあるが、

実質経済への影響は短期的な下落幅だけでは計れない。

そもそも、今回の下落の背景は何か。

昨年秋以降の日経平均は、好調なニューヨーク市場に引っ張られるようにして不自然なレベルで高値水準をキープしていた。

そのため、あらかじめ下落を予想し、備えていた投資家が多かったと思う。

今回の下落は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が引き金となり、一部投資家が利益確定に走ったものだと思われる。

下落幅は大きいが、まだ総悲観の投げ売りまでには至っていない。

ここまでは上がり過ぎの調整が入っただけであって、混乱しているわけではない。

ただ逆に言うと、さらに大きく下げる可能性が残されているとも言える。

やはり懸念されるのは、この先新型コロナウイルスの感染拡大がどこまで続くのか。

東京オリンピックが中止になる可能性も指摘されている。

オリンピックが中止になれば、それだけで日本経済の打撃はかなりのものになる。

さらに、長期にわたって経済活動が制限されることになると、物資の需給バランスが大きく崩れ、世界のあちこちでハイパーインフレが起きるかもしれない。

そうなるとさらに株価が急落、本格的な投げ売りの暴落が始まる可能性が高い。

ここまでくると、リーマン時をはるかに超えるインパクトになるだろう。

新型コロナウイルスの感染拡大への不安。

そして、もしかしたらそれ以上の経済的混乱、不況につながることを世界中が怖れ始めている。

今が売り底値のセリングクライマックスと思いたいが、どうだろうか。