杉山四郎先生アイヌ語教室③

  • 日 時 令和2年2月8日(土)

〇キムンカムイポフライェプ

  • 2月は春が近づいてくることを実感できる時期でもある。「キムンカムイポフライェプ」(キムンカムイ=熊、ポ=子ども、フライェ=洗う、プ=もの)を直訳すると「子熊を洗うもの」となるが、これは2月頃に寒気が少し緩んで降る雨のことを指す。
  • キムンカムイポで子熊。フライェは~を洗うという他動詞。プはものを指すがここでは雨のこと。

〇「ポロ ウパㇱ」と「ウパㇱ ポロ」との違いを意識する。

  • ポロ ウパㇱは(ポロ=たくさん ウパㇱ=雪)で大雪のこと。雪がたくさんある状態を表す。因みにポロ ワッカ(ポロ=たくさん ワッカ=水)は洪水という意味。
  • ウパㇱ ポロ(ウパㇱ=雪 ポロ=積もる)は、ウパㇱ ルイ(ウパㇱ=雪 ルイ=強く降る)と同じような使い方。現在進行形で積もっているという動的な表現。
  • ウプンは吹雪と訳されるが、さらに強い猛吹雪はウパㇱ ルヤンぺ(ウパㇱ=雪 ルヤンぺ=嵐)とも言う。
  • アㇷ゚ト ポロやポロ アㇷ゚トという言い方は聞いたことがない。
  • コムコムウパㇱ(コムコム=小鳥のふわふわした胸毛 ウパㇱ=雪)は、小鳥の羽毛のようなフワフワした綿雪。

〇かんじきは2種類

  • 軟雪用のテㇱマと堅雪用のチンル。材料は両方ともト゜レㇷ゚二(クワの木)とクッチプンカㇻ(コクワづる)だが、違いはテㇱマのつま先辺りが跳ね上がるように上を向いていること。

〇自動詞

  • アㇻパ(行く)、エク(来る)、イペ(食事をする)、アㇷ゚カㇱ(歩く)等は、目的語を持たない自動詞。
  • アㇻパ(行く)やエク(来る)は単数形。複数形になるとアㇻパはパイェ、エクはアㇻキとなる。イペ、アㇷ゚カㇱ等は単数形も複数形も変わらない。

〇複雑に変化する自動詞と人称接辞の関係

  • ク アㇻパ(ク=私 アㇻパ=行く)。「私」が「話相手を含む私たち」になると、人称接辞の「ク~」が「~アン」になり、「アㇻパ」が複数形の「パイェ」に形が変わる。パイェ アン(パイェ=行く アン=話相手を含む私たち)となる。
  • ク エク(ク=私 エク=来る)。「私」が「話相手を含む私たち」になると、人称接辞の「ク~」が「~アン」になり、「エク」が複数形の「アㇻキ」に形が変わる。アㇻキ アン(アㇻキ=来る アン=話相手を含む私たち)となる。

〇他動詞と人称接辞

  • スウェ(~を煮る)、フライェ(~を洗う)などは目的語を持つ他動詞。
  • チェプ ク スウェ(チェプ=魚 ク=私 スウェ=煮る)。「私」が「話相手を含む私たち」になると、人称接辞の「ク~」が「ア~」になり、「スウェ」が複数形の「スパ」に形が変わる。チェプ アスパ(チェプ=魚 ア=話相手を含む私たち スパ=煮る)となる。
  • ス ク フライェ(ス=鍋 ク=私 フライェ=洗う)。「私」が「話相手を含む私たち」になると、人称接辞の「ク~」が「ア~」になり、「フライェ」が複数形の「フライパ」に形が変わる。ス ア フライパ(ス=鍋 ア=話相手を含む私たち フライパ=洗う)となる。

〇アシ(立てる)とアㇱ(立つ)

  • 他動詞のアシ(立てる)も自動詞のアㇱ(立つ)も複数形はロㇱキ。
  • スンク シネプ アㇱ(スンク=エゾ松 シネプ=1つ アㇱ=立つ)
  • スンク トゥプ ロシキ(スンク=エゾ松 トゥプ=2つ ロㇱキ=立つ)

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