今朝(2019.1.4)の新聞に洋上風力発電に関する記事が掲載されていた。北海道の風況は全国トップクラスであり、複数の事業者が大規模な設備投資に見合う採算が見込めると判断したとのこと。
2019年に相次いで発表された大規模な洋上風力発電計画。電源開発の計画は泊原発の1、2号機、コスモエコパワーは3号機の発電量を上回る。それだけの可能性が秘められているというだけで大きなニュースだと思う。
一方で、実現に向けた課題についての指摘もある。まず送電線の容量の問題。北電は「現時点で空きがなく、空き容量を増やすには巨額の設備投資が必要」等と主張している。
巨額の設備投資が必要なのはそのとおりだろうが、それだけで洋上発電は無理だと短絡的な論調に傾くとしたら心外である。長らく不況で日本人の意識の根底にマイナスイメージが染みついてしまったこともあるが、洋上発電の価値と可能性について十分な議論がされないまま、計画実現に向けた流れが止まってしまうのでは北海道の未来はない。
そもそも、北電が洋上風力発電そのものをどう考えているのかについてほとんど触れていないのが不思議でならない。既得権益が崩れてしまう可能性がある動きに対しては、それとなくブレーキをかける習性があるのかもしれないが、北電のような大きな企業がそんなちっぽけな了見でいいのか。

別に北電の批判をしたいわけではない。今は北電に限らず、このようなしょぼい発想、現象が日本中で蔓延している。欧州では、導入コストが巨額でも再生可能エネルギーの将来性への理解が浸透し送電線増強への投資が積極的に行われているという。欧州と日本とでは事情が違うので、何でもやればいいというものでもないが、企業も国民も冷静な分析を怠ってはいけないと思う。